南極ゲーム観測所

南極基地に引きこもるシロクマの運営するブログ。インディーゲームのレビューを中心にエンタメ&サブカル 。純粋に体験してみて面白かったものや注目のコンテンツを紹介&共有します。ブックマークすると買うゲームが増えます(重要)

【The Last of Us Part II クリアレビュー】ゲーム史に残る非常にアンフェアなやり方

ネタバレなしでレビューをしたかったけどやっぱり難しかったのでお蔵入りしてたレビュー。もういいっしょって事で。

 

レビューは出来るだけ客観的なものを心掛けているのですが、この作品に関してはかなり難しいと思います。誰の位置に寄って見るか?客観的に見るか主観的に見るか?によって明確に振り分ける様な仕掛けがあります。

 

はっきりと言えるのは色々な事を考えさせられる要素が散りばめられていて、何が正解かが重要なのではなく、それを考えてもらう事が目的の1つである作品だと個人的には思います。

そしてそういう意味ではこの作品の意図していた事は成功したと言えます。

 

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感情がダイレクトに伝わるグラフィック

技術でいうなら間違いなく評価するべきところで単純に凄い。

映画と変わらない所まで来た。

ただこれは記号的な表現を排除する事も意味していて、読み取りの能力をプレイヤーに求めることになってしまった。

Z指定なので子供のことを心配する必要はないが、表情のニュアンスた仕草、セリフの間などの機微を読み解けない人には物語の読解すら難しいものになってしまった。

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進化したワイドリニア

非常に広大になった探索フィールドは探索疲れという問題も孕んでいるが、シナリオが全編重くシリアスなため箸休めとしてメリハリを生み出すことに貢献していると言える。

使用武器や戦術の選択肢が絶妙な自由度で、ワイドリニアの良さをうまく引き出している。

アンチャーテッドシリーズからうまく拡がったフィールドの自由度。ステルスアクションの面白さは現時点で間違いなく最高のもの。

 

 

あまりにも重すぎるボリューム

本編はシナリオ自体が非常に重苦しいものの為、まだ続くのか、と何度も思わされたボリューム。

シナリオの重さをカバーするために探索による休息があると考えてもとにかく分量が重すぎた。

ボリュームの少ないゲームは悪という風潮がネット上では散見されるがこれは常々疑問も持っていて、多すぎるボリュームが生む弊害というものは間違いなく存在する。本作はそういうものを体現しているように感じた。

あまりにもプレイヤーに強いる負荷が高すぎる。

 

客観視を強要するQTE

前作は操作するたびに没入感を高めていき、おおよそ常人が受け入れがたい行動をジョエルが選択する事に自然と共感出来る仕組みになっていた。それこそがラストオブアスの魅力になっていたと思う。

対して今作は中盤以降、おおよそ受け入れがたいタイミングでの操作を強要されるポイントがあり、徐々にプレイヤーの意識は操作しているキャラクターから乖離していく作りになっている。操作したくないキャラクターで行いたくない行動を強要される事で必然的に物語を客観的な視点で眺める事になる。

これはゲームにしか出来ない事で、受け入れ難い展開の是非とは別に物語りの手法として評価されるべきところ。

ただそれは没入していた視点から引きずり出す事によって成立する。今作ではそれが出来たかどうかがシナリオに対する賛否を生む焦点になっている。

 

あまりに卑怯な作品

対して、受け入れ難い操作を強要されるプレイヤーの取れる手段は2つしかない。

  • コントローラを置く事。
  • クリアした上で批判する事。

決して安くないお金を払った上でコントローラを置く手段を取れるプレイヤーはどれだけいるだろうか。そういう意味ではこの批判の嵐は妥当だと言えるし、フェアではない作品だと言える。

反面、完成されたアクションとグラフィックを使ってここまで挑戦的な物語を作り上げたノーティドッグは個人的には賞賛したいし応援したい。

 

シナリオの犠牲になったとキャラクター

大きな流れにおいてキャラクターの行動は自然で違和感がないが、振り返ってみて彼らの信条を考えた時、物語の駒になっている様にしか思えないシーンがいくつかある。

物語において触れられなかったキャラクターの一面だったのだとしたらそこは納得できる様に描いて欲しかった。

 

総評 9.5/10 画期的なQTEと超卑怯なストーリーテーリング

ステルスアクションとしてのゲームメカニクスの部分や、グラフィックの部分において文句をつける部分は1つも見当たらず現時点で最高峰。

単純にそういった素材を使ったアクションを作るだけに留まらず、攻めに攻めたシナリオを展開した心意気を評価したい。でもその手法はプレイヤーにとってはフェアとは言えず、素晴らしい意欲作でありながら全く人にオススメできない作品になっている。

問題は批判自体も開発の意図していたところの様に思える点だ。ここまで炎上する様な想像まではしていなかったかもしれないが、そういう意味でもやり方がずるい。

とはいえ後年評価が落ち着いてきて、このストーリーテーリングの手法が評価されるのは間違いいないだろう。技術や手法はどう考えても一級品。

 

個人的にはエリーが何をしようとも最後まで見届けるつもりだったのに、ラストシーンでどうしてもボタンを押す気にならずゲームオーバーになってしまうシーンがいくつかあった。そういう事を考えさせてくれるだけでもこのゲームはやった価値があったと思う。ラストバトルにおけるエリーの涙を見れたことが個人的な救いだった。

 

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改めて読み返して誤解を与えそうだけど、この作品をプレイして非常に満足しています。素晴らしい作品だった。

 

【PS4】The Last of Us Part II 【CEROレーティング「Z」】

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【Aragami: Shadow Edition クリアレビュー】影から影へ忍ぶ、ステルスアクション Aragami は攻略の幅があるコンパクトな良ゲー

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セール中だったのでふらっとプレイしました。

コンパクトに纏まっていて、気軽にステルスゲーを楽しみたいときに最適な一本ではないかと。

 

概要・ジャンル

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影から影へとワープするシャドーリープというアクションを軸としたステルスアクション。

ベースの動きはやや緩慢でもっさりしているのですが、シャドーリープを上手く使いこなせる様になってくると自由自在に飛び回れるのでアクションゲーとしての成長も楽しめる。

パズル的な戦略ゲーとしてじっくり解いていくスタイルもよし、アグレッシブに攻めたスピード感のあるアクションゲーとして楽しんでもよし、の攻略に自由度のあるゲーム性。

シャドーリープのアイディアは非常に秀逸で、単純に、今までプレイしたステルスゲームの中で最も忍者っぽい動きが体験できました。

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絵の具のように影を塗るスキル。塗った箇所はワープのための道になる。

ストーリー

ストーリーは、アラガミとして召喚された主人公が、一族を殺されたヒロインに変わって一夜限りの復讐の戦いに赴くといったもの。こう書くとフレーバー的な内容の様ですが、キャラクターは練られており、しっかりと楽しめる内容でした。

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光と影の戦い。主人公は影側。

 

ボリューム

クリア時間は12時間ほど。+DLCナイトフォールが3時間程度。

リトライ含めてなのでアクションが上手い人なら本編は10時間切るくらいだと思います。

今回プレイしたShadow Editionと通常版の違いは前日譚となるDLCナイトフォールの有無です。

 

総評 8.0/10 積極的プレイも慎重派プレイも受け入れる自由度の幅が魅力

影を見つけ、時には自ら影を作り出し、影から影へ飛び回る。ある意味ニンジャらしい動きを実現したアイディアがナイスなステルスゲー。

ベースは戦略重視のパズル的な内容でありながら、アクション性を重視したアグレッシブなプレイも可能なゲーム性、シャドーリープを軸にした基本システムの完成度は高い

インディーゲーなりの粗さは細々あるものの致命的な要素はなく、逆にボス戦やストーリー面など、期待した以外の部分で楽しめる要素が多くて好感が持てる内容でした。

続編も出るらしいので非常に楽しみです。

 

以下、いい点・悪い点をピックアップしておきます。

 

良かったポイント

攻略の自由度を許容するデザイン◎

影を作り、ワープする。この2つのスキルの組み合わせがプレイの自由度を生んでおり、入念に計画する慎重な立ち回りアクションゴリゴリのアグレッシブな攻めたプレイどちらも可能な作りになってます。

敵に見つかっても意外とゴリ押しが効くので、見つかった直後に敵の後ろにワープ、からの無理やりステルスキルを取ることも可能。このスタイルだと見た目もスタイリッシュでかなりアクションゲーム感が増します。

もちろん従来通りのステルスゲーらしく敵の動きを把握して、パズルの様に1つずつ進路を切り開いていくのもアリ。

また、後半になるに連れて揃ってくるスキルを駆使すれば、更に攻めたプレイが出来るため、工夫次第では無双感も味わえます。

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透明化など、スキルは直感的で使いやすい。

 

 

またフィールドの自由度があるのもポイント。

シャドーリープを活かすためフィールドは幅があり、攻略ルートはいくつか取れる様になっています。

プレイヤー次第でルートが変わってくるであろう構成で、やらされている感が少ないのは好感が持てました。

 

ストーリー◯

特筆して語る内容でもないですが、フレーバーというほどおざなりではなく、しっかりと楽しめる内容でした。

コンパクトにまとまっており、納得感のある良いストーリーでした。 

 

ボス戦の捻り方◯

数は少ないものの、ボス戦は中々に工夫されていて楽しめました。

あくまでステルスゲーというラインを維持したまま、頭も使いつつアクション性もあるボスのゲーム性はメタルギアシリーズを彷彿とさせました。もっとスケールアップした作品をプレイしたいと思える内容で、開発スタジオの今後の作品が楽しみな出来でした。

 

微妙だったポイント

不明確でやや遠いチェックポイント△

チェックポイントの発生箇所が分かりづらく、全体的に遠い。

取り敢えず進行状況をセーブしたいのに、どこへ向かえば安全にチェックされるのか分かりづらい事が多々。遠回りした結果ミスしてやり直しになると結構辛い。

チェックポイントの発生箇所は見た目で分かりやすい仕様にしておいて欲しかった。

というか表示されるタスク達成時には基本的に保存して欲しかった。

リトライがノータイムで始まるのが救いで、お陰で致命的なストレスにはならずに済んでいる感じです。

 

ヘンテコなローカライズ△

直訳ではないので意訳を頑張ろうという意気は感じるものの、テンションとそぐわない表現も散見。やや没入感を妨げるローカライズ。

個人的にはこれを含めて味と捉えたけど、シリアスな翻訳が出来ていればストーリーはもっと素直に入り込めたかもしれない。

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軽度のバグが発生しやすい△

リトライを挟んでもたまにフラグがうまくリセットされず警戒が解けないなど、やや動作が怪しいところがいくつか。

致命的な内容ではなかったので、価格相応のクオリティだと思って割り切るのが吉か。

 

さいごに

ふらっとプレイした割りになかなか満足感が高くて楽しかったです。

ちなみにPSストアならセール中で、2021/8/18まで¥611なのでおすすめ。定期的にセールやっているようで今回を逃しても安くなってたら手を出してみるのもいいと思います。今年中に続編も出るらしいので要チェック。

 

 

 

【廃深】詰まりがちなポイント ざっくりヒント集【ネタバレなし攻略】

 

答えは欲しくないけどヒントは欲しいという方向け記事です。

 

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画像引用:https://qureate.net/haishin/

廃深、のんびり進行ですがクリアしました。

全スチル回収済みです。

クリア時間は全エンド回収して8時間ほど。最初のエンドまで2時間くらい。

プリズンプリンセスに比べてエンディングの分岐がわかりやすかったので、全体的な難易度は高くないです。ただ移動スピードが遅いので探索が大変でした。

 

おそらくエンド分岐よりもハマりがちなポイントのヒントに需要があると思いますので、詰まりそうな所のざっくりヒント集を出来るだけネタバレのスポイルが無いように載せておきます。

 

 

 

 

詰まりやすいポイント攻略

Q1.ノミの使いみち

A.ノミも数字も全て206号室で使う。他の部屋との相違点に注意すれば分かりやすいかも。

 

Q2.リネン室の暗証番号のヒント

A.資料が散乱している部屋にヒントあり。

 

Q3.脚立のありか

A.突き当たりにある。すでに通ってるはず。

 

Q4.神棚が開かない

A.事務所内の仕掛けのみで必要なアイテムは手に入る。

クリックできるポイントは省略せずに1つずつ押していくと仕掛けに気付きやすいかも。

仕掛けの解き方についてはヒントがあるけど見えにくい位置に書いてある上、なくても解ける(解けた)。

ピアノ線を取ってしまうとフラグが折れる

 

Q5.自撮り棒の作り方

A.工作の痕跡を探す。

棒自体は見逃しにくいはずなので、もう一つのパーツについて。

自撮り棒に加工できそうな道具がほしい。その道具は工作のあとがある部屋に行けば拾える。

このゲームはフラグが立ってからでないと拾えないアイテムが多いので、1度探索した部屋でも探し直す必要がある。

 

Q6.地下の平石問題の解き方が知りたい

計算式。

難しい知識は不要。横軸でみて。

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Q7.スチルが一つだけ埋まらない

特定のタイミングで202号室でテレビを付けると発生(おそらく駐車場通過後)

残念ながら美桜ちゃんじゃありません。

 

おまけ

エンド4は実はバリエーションあり。スプレー以外に色々試してみよう。

 

 

 

【攻略】ブラッドステインド つまりがちポイントプチ解説

 

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ちゃんとした攻略は既に素晴らしいサイトがいっぱいあるのでそちらをどうぞ。

こちらはネタバレ踏みたくないけどヒントが欲しい方向けです。

 

 

馬車の動かし方が分からない

探索不足。

御者やドミニクが言及している仕事を達成できるギミックを探す。見つかれば用途はすぐにわかる。到達時点で回れるところは多くないのでしらみ潰しに探そう。

 

塔の歯車の段差が高くて登れない

しばらく使ってなくて忘れてるギミックがあるはず。本棚のメッセージの意味を考える。

探索漏れは関係なし。ココにたどり着いた時点で絶対持ってるギミックを使う。

 

リフレクションレイの使い道がわからない

スティックだけでは発動してない。

方向を決めた後、R2で光線の先に移動できる。

これを使って移動できる細い通路にある鏡に注目。リフレクションレイを使って移動できるポイントのヒントになっているので目印にして探索を進める。

 

エントランス上部への進み方

通せんぼしているギミックの突破方法が気付きにくい。ここに辿り着いている時点で探索漏れとは関係ない。今あるギミックから使えるものを1つずつ試そう。全ギミック中、1番分かりづらいかも。

その先のトゲトゲが抜けられないなら探索不足。城内ひと通りぐるっと回ってみた方がいいかも。

 

水洞内はいつ探索出来る?

これもかなり罠かも。

通り抜けられないない水洞内を見て「多分その内スキルが手に入って進めるんだろうなぁ」と想像している人はその通り。ただしボスからではない。

 

 

抜けたと思ったのにバットエンド地獄

貰った刀は「何をする刀か」を考えながらボスと戦ってみる。武器の説明欄を要参照。

刀の役目を考えながら攻撃を続けていれば変化に気付けるはず。

刀が何か分からない段階であれば探索不足。

 

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BLOODSTAINED: RITUAL OF THE NIGHT (THE DEFINITIVE SOUNDTRACK) [12 inch Analog]

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  • アーティスト:VARIOUS ARTISTS
  • 発売日: 2020/12/18
  • メディア: LP Record
 
Bloodstained: Curse of the Moon|オンラインコード版

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  • 発売日: 2018/05/24
  • メディア: Software Download
 

 

【レビュー】アッシュと魔法の筆 〜魔法のペイントで街に明かりを灯すADV【ネタバレあり】

 意外と一気にクリアできてしまいました。

クリアまでのプレイ時間は4時間くらい。

スケッチブックのらくがきやかいぶつの収集物を全部集めたり、ペイントをじっくり楽しむと人によっては10時間くらいはかかるかも。

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めちゃめちゃ感動するー!っていうテンションではないけど、佳作映画のような丁寧でまとまりのあるストーリー。好感が持てます。

 

【PS4】アッシュと魔法の筆

【PS4】アッシュと魔法の筆

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: Video Game
 

 

※ネタバレあり注意※

後半にとある仕掛けがあって、かつこのゲームは致命的なスポイラーにならないと思うのであえてネタバレありでレビューしていきます。

気になったら短いのでプレイしてみてほしい。

 

 

概要・ジャンル

ある事情で人の姿が消えた街デンスカにやってきた主人公アッシュ。

偶然手に入れた魔法の筆を使って街に明かりを灯していく物語。

ジャンルとしてはアクションアドベンチャー。

 

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壁にかいぶつと呼ばれるモンスターを描いて助けてもらったり、花や蝶などのエフェクトを描いて街に光を灯していくうちに 、街が徐々に明るくなってていきます。

なぜか誰もいない街にたむろしているイジメっ子たちの妨害を避けながら、明かりの範囲を徐々に拡げていくことがゲームの目的。

軽い謎解き要素やステルス要素もありますが、基本的にライトです。

アクションが苦手でも大丈夫。

 

ペイント操作が似たジャンルだと大神でしょうか。

このゲームはアッシュを動かしながらのペイントも出来るので、走り回りながら落書きしていくのが楽しい。

大神 絶景版 - PS4

大神 絶景版 - PS4

  • 発売日: 2017/12/21
  • メディア: Video Game
 

 

※ここからがネタバレポイント※

物語の後半、街に溢れ始めた怪物に対抗するためにアッシュはさらなる力を得ます。

今まで街を灯す事に使っていたペイントを怪物と戦う事に使うわけですね。

要するに後半からキングダムハーツみたいなキラキラしたバトルアクションに変化します。全く操作性が変わるんですけど演出が丁寧で盛り上がります。

何よりエフェクトがカッコいい。

勿論ペイントもそうなんですが、キラキラしたエフェクトの動かし方が光ってます。

次回作以降もこのエフェクトのセンスを突き詰めていってほしい。もっと凄いものが見られそうな片鱗を感じました。

 

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良かったポイント

適当に描いても画になるペイントアート◯

ペイントはジャイロ操作とコントローラーからの効果音のおかげで自分で描いてる感覚がしっかりある操作性。

その上、各エフェクトが綺麗に拡がるので適当に描いてもそれなりに見栄えのするモノになり達成感がある。

だから純粋に描いてて楽しい。ペイントすると楽器の音が鳴ったり、電飾が灯るので手触りだけでも充分に楽しめます。

 

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自分の描いた足跡が映るカットシーン◎

ここが1番良かった所。

ムービーがプリレンダではないので、自分で描いてきた各ペイントアートや召喚したかいぶつたちはカットシーンでもちゃんと反映されています。そのおかげでシナリオ自体は抑えめなのに結構グッとくるシーンが多いです。

自分で産み出したものに対する愛着を上手く表現している。

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こぢんまりとしているが丁寧なストーリー◯

ストーリーは前例の世界観や魔法に対する条件など、細かいところの整合性はあまり重要ではない感じの寓話的なお話ですが、テーマ性は綺麗にまとまってたんではないでしょうか。

街に光を灯し再生させる、というゲーム性と再生のストーリーは上手くマッチしていたと思います。

後半のバトルパートも意外性と驚きは合ったものの、唐突感はなかったです。エフェクトの映像美も綺麗でスケートで滑るのも楽しかったです。

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微妙なポイント

盛り上がりがスロースタート×

盛り上がるまで期待が持てなさそうなのが頂けない。ただそこで止めるのはもったいない。

 

そこまで致命的に悪いわけではないですが、ストーリーに期待感が持てないんですよね。

物語開始で割と胸糞ないじめっ子描写に始まり、物語の前提の世界観とアッシュの行動目的が全く明かされないので感情の拠り所が全くないです。

でもまあ短い物語なので、スロースタートな映画を見るような感覚で。前半はペイントを楽しめばよいと思います。

後半の盛り上がりを演出するためとは言え、もうちょっと入りやすい導入にして欲しかった気はする。

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まとめ 8.0/10 再生の明かりを灯すADV

ペイント自体は楽しいし、「かいぶつ」はかわいいが、シナリオが盛り上がるまでが長い。出来れば時間のあるタイミングで一気にプレイしたい。

佳作映画のような丁寧にまとめたストーリーと、触り心地のいい塗り絵ペイントを味わってほしい。

 

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【PS4】アッシュと魔法の筆

【PS4】アッシュと魔法の筆

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: Video Game
 

 

【PS4感想】Bloodstained-ブラッドステインド ファーストインプレッション

Igaキュラこと五十嵐孝司作品のブラッドステインドをプレイ中。

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だいたい半分くらい終わったと思います。

10時間くらい。ちょこちょこ詰まってたので平均プレイはもうちょっと短いかも。

 

特筆すべきは手触りのよさと、リメイクかのようなスーファミっぽさ

 

 

 

「こういうの」としか言えない手触り

「こういうのでいいんだよ」って感想で言われているようですが、どうしてそう言われるのか理由がよくわかった。

この手触りは多分プレイしないと絶対に伝わらない。

よく「自分でプレイしないと面白さは伝わらない」って定番文句がありますが、まあ実際は触らなくてもある程度のタイトルは予測できるんですよ。でもこのゲームは事前に抱いていた印象と大きく変わって好感触を感じました。

なぜなら良さがプレイして感じる手触りの良さに集約されているからです。ビジュアルの印象ではまず想像できない部分の感覚。

自分は探索がそんなに好きじゃないのでメトロイドヴァニアは取り立てて好みじゃないんですよ。作業感を感じやすい。

なので世界観に惹かれた場合にプレイすることが多くて、探索の楽しさは二の次で世界観に浸りたいというプレイスタイルが多いわけです。でもこの作品はとにかく月が映える背景が絵になるし、探索もどんどん進めたくなる。構造が建築物としてのリアリティを追求していなくてめちゃめちゃゲーム的。でもそのおかげで見映えのするステージが城の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれている。

 

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既視感と説得力

スーファミで昔出ていたモノをリメイクしたかのような既視感と説得力がある。

ドットと内部音源で演奏されたBGMが思い浮かぶような既視感があって、それを今風にアップデートしましたという感じ。決して貶してわけじゃなくて、今の時代ではゼロから生み出せないようなSFC時代の良さを切り出してきたような印象。

魔力回復ジェムのSEなんかモロにスーファミの音なんですけど気持ちよくてついつい燭台壊しちゃう。

アクションにおいても同様で操作にダイレクトに反応する操作性と、素直すぎて事故落下視しやすかったり、当たり判定が結構ガバくてハマったりするいいところも悪いところも含めて“まんま”な感じでそれがこのゲームの手触りの良さに繋がっている。

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これが不快な要素を全部取り除いていたらこういう不思議な感触は得られなかっただろうと想像できる。

 

さすがジャンルの立役者の作ったゲームだけあって、粗も併せ持った忖度のない「こういうのが楽しいんだよ」っていう制作側の圧というか説得力があります。メトロイドヴァニアって楽しんだなぁ。

 

と言うわけで続きもプレイしていきます。

 

 

 

【PS4感想】アッシュと魔法の筆 ファーストインプレッション

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現在プレイ中。

2時間くらいプレイしたところ。

10時間未満の短いゲームらしいです。

 

【PS4】アッシュと魔法の筆

【PS4】アッシュと魔法の筆

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: Video Game
 

 

細かい話は置いておいて、「うわ、このゲーム大丈夫か...」って思ったのがこちらのメニュー画面。

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それに加えて、シナリオいいって聞いてたのにごちゃっとしてんなぁ。大丈夫かなぁ。ってのが正直な感想。

 

 

ジャイロ操作によるペイント

ゲーム性の肝は、ジャイロ操作で筆を動かして壁にペイントしていくアクション。

アイディア部分は大神を拡張した様なイメージ。モーションセンサーの操作感覚はスプラトゥーンが近いかな。あくまでも壁に2Dで描くのでラクガキ王国的なニュアンスとは違う。

面白いのはペイントしながら自キャラも動かせる点。走り回りながら筆を振り回すスプラトゥーンで言うヒッセンみたいな動きができて楽しい。

筆を動かして絵を描くというアイディア自体は珍しいものではなくなったが、動きながら3D空間に平面の絵を描くことを実現しているゲームはあまり思いつかない。

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独特な表情アニメ

あと映像的に面白いのは主人公アッシュの表情表現。

モデルが動いて口パクするではなく、顔の表面に描かれた目鼻口のパーツがアニメーションする表現になってて、これが独特の世界観を醸し出している。

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ストーリーは?

評判がいいと聞いていたストーリーに関しては、何やら違和感のある始まり方なので動き出すところまで見ないとなんとも言えなさそう。

あまり単純なシナリオではなさそうだが若干の不安感が拭えない。

徐々に背景が明かされていく形なので主人公が何故街にきたのか?街になぜ人がいないのか?いじめっ子は誰もいない街で何をしているのか?などがはっきりせず、常識の立ち位置が不明なまま、主人公が魔法の力を持った筆を授かるのでこの世界観で魔法がどう言ったものなのかが掴めない。どこに気持ちを入れていいのかよく分からない。

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さいごに

描いた絵が記録されてイベントシーンでも自分のプレイの足跡が残されていくのはいいです。

ゲームシステム的にはシンプルなので、お絵かきパートをどこまで純粋に楽しめるかどうかでプレイボリュームも体験の質も大きく変わってきそうです。

 

 

【クリアレビュー】シャドウオブトゥームレイダー 〜探索特化型のクライミングアクション

f:id:Upolaris:20210204195509j:plainクリア+チャレンジトゥームは制覇済み。

サブクエストはまちまちです。

シリーズ初見。アンチャーテッドシリーズは制覇してるので、比較しながら楽しさの違いを書いていこうかと思います。

 

 

 

 

概要面

 

オープンワールドの規模感

オープンワールド風のシームレスで広大フィールドといった感じ。

というのも規模感がシナリオとマッチしてなかったり、マップの縮尺や上下構造が嘘っぽかったりするので完全なオープンワールドを期待するとちょっと肩透かし感がある。

とは言っても、ストーリーを進めていく上では完全なシームレスなので細かいことは気にしねぇぜ!っていう人ならオープンワールドだと思って楽しめます。

逆にマップの繋がりをじっくり眺めて検証したい!みたいな変態からすると嘘や誤魔化しが多くてイマイチな作りです。

似た規模感のオープンワールドはニーアオートマタが近い。

 

戦闘アクション

メインは弓。+見つかると銃が基本。

ステルス重視でもシューター重視でも、どっちでもいけそうなバランスで片手落ちになっていない。自由度として幅があるのでいい感じのバランス。ただしごり押しするには探索による銃の強化が重要。

もちろんステルス要素も探索を進めれば楽になる。シナリオ戦闘中の矢や弾丸は無限なので詰みはまずないはず。

 

クライムアクション

今作はノーマルだとちょうどいい塩梅でララがヒントを呟いてくれるのでかなりスムーズ。また白いペイントのヒントも自然で非常に快適。ルートも寄り道が多い事と、正規ルートはあからさまでないので探索が自然に楽しめました。

ただし、アックスを使った壁登り中だけは見当違いな方向にジャンプしたりやたら引っかかったりとバグりやすい感じでした。

なので理不尽な事故死が無いわけじゃないですが、総合的にはクライムに関するストレスはほとんどなかったです。

 

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探索要素

探索によるスキル強化要素やアイテム素材の収集は、普通にクリアする分には絶対必要ではないバランス。反面、やればやっただけ戦闘が快適になったり行ける場所が増える。探索の手間がちゃんと報酬として機能しています。どちらかといえば横道に逸れるのがメインの楽しさ。

 

 

ストーリー面

やってる事の割にはこじんまりした所に閉じちゃったなぁ。というのが正直な感想。

前作・全前作を知らないからなのもあるかもしれないですが、宿敵の組織との決着編にも関わらず、3部作の総決算的な盛り上がりも薄い。ララが悩んでいるうちに終わってしまった感じ。

最終ステージのとあるキャラとの絡みは良かったですが、作品を跨いだ物語と考えるとちょっとあっさりめなのでは。

その分、前作までを知らなくても置いていかれる事は無かったです。悪いっていうより薄いって感じなので、特に重きを置かない人ならノイズにはならないと思います。

 

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アンチャーテッドシリーズと比べて

全体的な構成の差

アンチャーテッドは基本リニアなジェットコースターなので、探索による成長がなかった所が美点であり欠点だが、シャドウオブトゥームレイダーは腰を落ち着ける拠点探索型。ここが1番の差別化要素。

本作は探索がスキルや素材という形で報酬としてしっかりしています。

 

ストーリーと寄り道

反面、ストーリーはアンチャーテッドに比べてかなり薄味でした。逆に言えばストーリーの吸引力が寄り道のノイズにならないので気兼ねなく寄り道しやすい構成と言えそう。

ストーリーを忘れて黙々とチャレンジトゥームをクリアしていく時間が1番楽しかったです。

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クライムアクションについて

ダイナミックな演出はアンチャに軍配があがるけど操作の楽しさは今作に分があります。

快適さは圧倒的にトゥームレイダーの方が上。

アンチャは無理やり感のあるルートとか低い所からの落下死だったりでやらされてる感が所々あったのと、ノーヒントが多かったのでストレスが楽しさと抱き合わせだった。それに対して、ララによるヒントの呟きや白いペイントによるヒント機能も自然でちょうどいいバランス。また、ルートもやらされ感はほとんど感じなかったです。

 

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主人公の顔がいい

いやネイトが悪いってわけじゃなく。

ララがかなり美形でスタイルがいいのでクライムしてる姿はやはり映えます。

コスチュームの種類が結構あるのも旅のワクワク感を増してくれるのでいい。

 

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よかったポイント

寄り道の探索の楽しさ◎

ここは上記にあるのでわざわざ書かなくてもいいですかね。チャレンジトゥームが1番楽しめました。

 

快適なクライムアクション◯

ヒント機能の充実と、探索による新たな探索や報酬要素など、ストレスが全然ありませんでした。

 

程よい謎解き難易度◯

トゥームのパズル要素も程々の難易度とヒント機能により回答を探すのは楽しい時間でした。

 

微妙なポイント

ストーリーが薄い△

最終作をやった弊害である可能性も含めて読んで欲しいですが、やっぱり総決算的な盛り上がりがなかったのはちょっとマイナスかな。

その分単体でも楽しめるとか、寄り道の邪魔にならないとかメリットになってるポイントもあるんですが、シナリオのテンションにはあまり期待しない方がいいかも。

 

ロケーションの多様性の薄さ△

これはオープンワールド製とトレードオフな欠点。大きく景色が変わるポイントがなく、南米の景色が気に入らなければ結構痛いかも。

引いた視点で見れば似たような景色ばっかりなので、プレイ前にある程度世界観は知っておいた方がいいかも。

 

まとめ 7.9/10 クライムや探索に重きを置くなら◎

ストーリーに強い盛り上がりがなかった事以外は、取り立てて悪いところがなく、安定して楽しかったです。

特にクリア後、まったりチャレンジトゥームを開拓していくのが充実して癒されました。

しいて言えば開拓後のトゥームの構造はマップに記載して欲しかった。ただ地図に乗らないからこそ秘境である事が演出されているとも言えるので好みの問題ですね。

リブート初代が積んであるのでその内やります。DLCは...とりあえずはいいかな。

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