南極ゲーム観測所

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【ネタバレトーク】サイコロサイコ セブンスヘブン 〜サイコパス大博覧会後夜祭【Switch】

各ヒロインがちゃんと別ベクトルのサイコパスなので飽きずに楽しめる。

 

6人のヒロインが居るんだけど、ベースがどれもホラーとはいえそれぞれ別のヤバさなので、今度はそう来たか〜と味変してくれる。予想しながら楽しむのがおすすめ。翻弄されるのもまた一興。

当然なのですが、全編ネタバレまみれな上に、未プレイだとよくわからない書き方だと思うので、プレイ後に読んでくれよな。

 

 

 

全体の感想

元々は一遍ずつ公開された6つの短編にラストエピソードを加えた完全版なので、ボリューム感ありました。バッドは死に方大喜利に見えて断片的に明かされる設定があり、ハッピーエンド後にバッドを拾うモチベーションになっているので、回収があまり苦じゃないのがいいですね。スキップも爆速。ノベルゲーにおけるシステム的な欠点は皆無でした。

毛色が違うキャスト陣によるフルボイス化の恩恵も味変具合に恩恵をもたらしていると思います。

 

 

以下各ルートの感想

並びはプレイ順です。

 

骰子

呪縛系ヤンデレルート。

 

正直なところ骰子が最初で良かったのかな〜、という若干の後悔があります。6人の中でもちょっと異質で、それがあまり誰も不幸になってないっていう点なんですよね。

骰という字はそれそのものでサイコロを表すらしくて、この作品らしいため、他のルートを経てだと深読み出来るかもだけど、情報なしの最初のルートとしてこの字を見ると、字面的にまあ骨ですよね。骸。

後半のネタばらしに関しても、めたろーがやったか誰かに殺されたか、の2点くらいがミスリードの相場だと思うので、むしろ捉え方によっては普通にハッピーエンドじゃーん。という感想でした。

お約束としてどんでん返しがあるって構造が受け取りにくかった事と、読後感がさらっとしてたので、後の方でプレイした方が意外性があって良かったかも...と思いました。

クローバーの花言葉もスマートなので比較的素直ですよね。

イチャイチャシーンでASMR始まったんかな?と思った。そういう意図のキャスティング??

 

 

災子

悲劇のヒロイン症候群系メンヘラルート。

これこれぇ!これが見たかってん!!とラストシーンでテンション爆上がりしたルート。

特にポストクレジットシーン。借金相続してる所で「???」となってたので、種明かしのカタルシスたるや。

可哀想な目で見られる私が気持ちいいという独白における一連のセリフは全てスクショにして(実際した)見返したいくらい悲劇のヒロイン症候群という病理を端的に言い表していて惚れ惚れする。

両親を燃やしてたり自傷してたり、最終バッドルートでは主人公を叩き落としたりと、加害性を見せつけるものの、どの点においても恨むだけの要素はあって同情の余地があり、サイコパスがどうかは若干疑わしいのが共感しやすいポイント。

ほぼ親の身から出た錆みたいなとこあるし、その両親の真面目さと不器用さを受け継いでる点も客観的に引いたシニカルな目線があって味わい深いですね。後の斉子でも感じるんですけど、毒親問題=親が全て悪い、となってない所がエンタメとして成立してて、読後感の爽やかさに繋がってると思います。

ただ、最後の選択肢を選べなかった主人公に対して、突き落とすのではないか、と思ったんですけど、どうして自分が死ぬ方が不幸度が高いと思ったのかは読み込みきれてないです。災子的価値観では未亡人として生きる方が気持ち良くない?幸せな生活を知って、こんなもんか〜って思っちゃったのかな。それを秤にかけたのが最後の選択肢かもしれないですね。

 

スチルとしては「はい、タッチ〜」が全スチル優勝。ぶっ込んでるのにちょっとおどおどして反応窺ってる小動物みたいな目が完璧です。CVも牙を感じられて良かった。

 

 

才子

執着心特化型ヤンデレルート。

 

スチルを見返すと気付く怖い要素として、めたろー君が一切映ってないんですよね。代わりにエンディングでしか出てこない本物才子が3枚も描かれています。素直に受け取るとヒロインは実は重音だったように見えて、ちゃんと才子だったという構成なんでしょう。ただしお話の主人公はめたろーではなく、重音なんだな〜という変則的な構図。

最終バッドエンドで、めたろーが何の葛藤もなくあっさり始末されている事からも明示されています。

ハッピーエンド名が「成り変わり」である事がしっくりこなかったんだけど、これは才子にとってのハッピーエンドじゃないかと推測すると、恐らくHAPPYEND「成り変わり(失敗)」で、やっぱり私の言うとおりだったじゃん。っていう事なのかな〜。と受け取っています。(本物)才子に取ってのメシウマハッピーエンド。これなら辻褄が合う。多分。資料集が見たい。

 

いやでも1番サイコパスからは遠い人物ですよね。育成環境から言っても酷そうだし、やっと巡り会えた親友があんなバケモンなら歪んで当然だし、やっと活躍出来ると思った職場で心折られたら殺人鬼にならずとも前向きな生き方が難しいのは察するに余りある。

完全に壊れちゃった上で、形振り構わなくなって才子から奪った幸せを手に入れられると思った瞬間からの主人公の選択は重音の全てを叩き割るに足るロジックが積まれてて、かなり綺麗なストーリーだと思いました。2周目やると最後の選択肢はほぼ死刑宣告にしか見えない。

心残りがあるとすれば、最後のWelcome to the world of ○○○○。モザイクの中身が何なのかを自力で気付けなかったのがめちゃめちゃ悔しいです。もしかしてフリー版ではモザイク無しなんですか?エピソード自体は知ってたのに鏡と口紅を見ても思い当たらなかった...。知らない人はエイズ・メアリーでググってきちんとまとめられた記事を是非見てみて下さい。

この終わり方で疑問が湧くのが最終バッドエンド「水子供養」。この病気って子供産めるんだっけ?って思ったら、HIV感染者でも適切な方法と治療を続けていれば妊娠・出産も現実的な様です。勉強になった。

逆に言えば、めたろーくんは最初から消すつもりだったって事になりますね。これが重音が徹頭徹尾、才子だけに執着していて一切めたろーを視界に入れてなかったという証左でもあります。コワ〜。

 

 

斉子

ネトスト寝取りメタ認知異能自傷系ヤンデレ。もうコイツだけ何が何だかよく分からん。属性盛りすぎや。

 

何と言ってもCV。The・種崎敦美劇場って感じで凄かった。「あはははは」ってテンプレ的なサイコ笑いとかそんな読み方の引き出しあるんだ...、って思わされる。やっぱ天才だと思うこの人。

 

物語の根っことしてはネットストーカー&上手い事やって主人公を寝取るって要素がメインなんだけど、邪魔な障害で有れば彼女どころかプレイヤーまで脅すというまさかの異能属性で塗りたくった上にエゲつない自傷癖まであってもうよく分からない事になってるヒロイン。

結局メタ認知能力がストーリーに関係ないのが1番怖い。○○○○○○部とか○と○○と○○の○とかこういう第4の壁破りはもはやそのネタだけで驚かせる事は難しいのに、CVのお陰で背筋が寒くなりました。ネタは分かってるのについ正座した。フリー版と比べてセリフの前にキャラのレイヤーが出る様になってる演出も良かった。

あっ、あなたって”こっち”?

 

全身のリストカット(リスト?)が単なる自傷とは違う理由づけがあるのが捻りがあって面白いです。でもその思考が最もクレイジーでサイコ。文句なしのサイコ野郎です。

 

反面、エンディングが拍子抜けするほどハッピーエンドで、1番驚きました。新海誠の「君の名は。」を見た時の感想に近い。おい、誠!お前、そんなハッピーエンド、お前が1番嫌いじゃないんか!?そう思ってたのは俺だけか?!置いてくなよ誠!!!

みたいな。すずめの戸締まりは大好きです。いや君の名は。も嫌いじゃないけどね。裏切られてびっくりしただけで。

 

とはいえ、エンディング後を落ち着いて考えたら、めたろー一家のその後とか七七と雪丸との関係とか、派手に壊れない分、地獄が待ってそうですが、2人はちゃんとハッピーだし、斉子がめたろーを好きになった理由は純愛と言って差し支えないし、ひっくり返されなかったハッピーエンドって印象です。

ラストシーンのめたろーのちょっと足りてない優しさが掛け値ない印象でいいんですよね。

あと斉子だけハッピーエンドで死んでないのもデカい。ヒロインの生存率1/6ってとんでもねぇギャルゲーだ。

 

“パパ”もなんか絶妙な造形で後味の良さに貢献してるのもいい。拭い去りたい過去になってたらその息子に近づこうとか思わないだろうし、根っからの悪人ではないクズって感じで、パパとの前日譚もちょっと見たいと思ってしまうくらいには気になる。やった事の因果は返ってきてるし、息子が二股してたって知った時の感情とか想像すると何とも言えないですね。このゲームにおける毒親率の高さに対して、一貫して親のあかん所もちゃんと引き継いでる無情さを描いているのがシナリオとしての線引きとして上手いなぁと思います。

 

ここまでプレイ順で書いてきてますが、自分はこの辺りでやっとこのゲームのハッピーエンドにどういう共通点があるかが分かってきました。七七がハッピーに終わるエンドが1つもない。

 

祭子

復讐系ヤンデレyoutuber。

 

超王道スプラッターホラー。

こちらもサイコパスからは程遠いんじゃない?

映像化したら15or18禁相当にグロいけど、動機を知ると別に狂ってない。定義的にはバッドエンドが示すとおり、後天的な要因でおかしくなっちゃったソシオパスなんでしょう。加害は復讐だけだから特別狂ってる感じもしないけれど。youtuberらしくバズを求めるあまり一線を越える、っていう要素は思いのほか描かれてなくてギャップでまともな子に見えちゃう。

とはいえアレをキュウリみたいにスライスするエンドはこのゲーム最恐でした。ヒュンてなる。

ついでにいうと最序盤の手榴弾で吹っ飛ばされるのがこのゲームにおける最イミフエンド。

 

ハッピーエンドについて。

雪丸の懺悔って祭子の事を男だと思ってたから祭子意外に余罪があるって事だよね。とんでもねぇなこのルートの雪丸。

ハッピーエンドで腑に落ちてないのが、祭子の包丁の持ち手。クレジット前のアニメシーンにおける祭子の包丁の持ち手は指が見えているので左手なんですよね。クレジット後に実はめたろーの手でした、っていう種明かしなんだと思うんだけど、最後のスチルをよく見るとお互い逆刃で持ってるんですよね。その逆刃から自分の首に添え直すと祭子は右手で包丁を持っているので手の甲が表に来るはず。そう考えると前後のシーンの一貫性が無いんですよ。

 

ハッピーエンド名「ミリオン達成」というタイトルから目標達成したら2人で終わりを迎えようね、って事だと思うんだけど、時系列が分からん...。

他のヒロインの例に倣うとポストクレジットのシーンは時系列的に最後ではないので、

2人で決意表明をした後、

めたろーが祭子のスナッフフィルムを撮って、

後を追う、

のが順当な気がしますが、それを裏付ける示唆を見つけられませんでした。これは資料集を見るしかないか...。

 

シナリオ的には祭子がめたろーを罪悪感で縛り付けるだけのロジックがしっかり編まれていたので良かったです。お互いのフィナーレの為に協力しているっていう関係に必然性があって良いです。

逆にいうと素直すぎて驚きはあまり無かったかも...。泣き叫ぶ七七はちょっと良かったけど...。スラッシャームービー的な視点ではめっちゃ素直なシナリオです。

 

この辺まで来るとやっぱ七七が1番怖くない...?って気持ちが強くなってくる。隠しシナリオとかどう考えても七七ルートじゃん。って思ってます。サイコロを振り直してるのはどこ行ってもバッドエンドな人間だとひぐらしも言ってるので、オープニングでサイコロ振ってる主人公はめたろーじゃないです。

 

気になる祭子の性別は、色々考えたけどトランスジェンダーの男性だと考えると大凡の描写に整合性がありますね。

 

 

罪子

王道依存系ストーカー。

 

???

この子に関しては何も分からんかった。

いわゆる打っても響かない人間というか。

1番苦手なんだよな〜。自分の頭の中でしかストーリーが進まないので会話が意味を成さないタイプのサイコパス。その証左として誰ともコミュニケーション成立してないっていう。お姉ちゃんの死因すら知らないし彼女にとって全てがディスコミュニケーション。でも現実にこういう風になってしまった人一定数おるから怖いんだよな。

 

七七に入れ込む理由も何も分からんし。斉子みたいに、これ!っていう理由もなくお姉ちゃんに似てる要素も無いのでこじつけに近い。依存できれば誰でもいい感じがクレイジー。ハッピーエンドで代替品って言っちゃってるし。明確な地雷も目的も無くてめっちゃ怖い。

 

ハッピーエンドで結局お母さんと同じ事やってしまっているという呪いの伝播が描かれているのは他キャラと通じていて徹底されてますね。外の世界に行かないとまあ濃く受け継いじゃうよなって感じ。代替品というハッピーエンド名は、お母さんにとっての裁華ちゃんもまた自分の人生の代替品と言える事から、エンドクレジット後で描写された事を踏まえてダブルミーニングなんでしょう。

足りない自分を埋めるための代替品を求めるっていう生き方が継承されてしまったって事です。ハッピーか、これ?

各バッドエンドも七七に成り変わるものが多かったので、本来はお姉ちゃん(七七)の代替品に成りたかった(=親に見て欲しかった)。っていうのが望みだったのかな。

七七のここすきポイント

 

ろうごく

種明かし編。

ファンタジー要素強い演出だけど、結論としてはシンプルっぽい。

 

虐待されていた七七に同情しためたろーは自殺幇助をするけど失敗して服役している。

各ルートでサイコロを振り続けていたのは七七の夢の中にいるめたろー。

現実(グランドルート)のめたろーは欠けたサイコロで七の出目を出す事で脱獄のチャンスを得て、病室の七七に会いに行く。

めたろーはすぐに連れ戻されるものの、それを知ってか知らずか七七は目を覚ます。

というエンド。

 

エンディングにおいてさようならと語りかけているのは、素直に考えると会いに来ためたろーに夢の話を語り聞かせているんだと思いますが、個人的にはおそらく夢の中のめたろーに対して言っているのではないかと思います。

というのも殺人未遂とは言え少年犯罪だし、情状酌量の余地がある状況なので、一発死刑は考えにくい。生きてれば会いに行くチャンスはあるはず。

自分の為に手を汚したそのめたろーに対して「また、どこかで」という発言はドライにしてもちょっと辻褄が合わなすぎる。またいつか、なら分かるけど、どこかで、という事は自発的にはもう会えない状況と考えるのが適当なので、目覚めて消えてしまった夢の世界の住人に対してのセリフなんでしょうね。

とはいえ、現実七七がぶっちぎりのサイコでドライな可能性もなくはないけど。

 

各ヒロインのハッピーエンドはことごとく七七にとってのバッドルートだと思ってたんだけど、実はまっすぐ生きたかった各ヒロインを狂気に歪めていたのは他でも七七だったって事が、七七の居ないIFエンドで証明されていく。

サイコパスになんてならずに純粋に生きたかったのはツマトリソウの花言葉が純真である事で示唆されていると思います。

と、同時に各ヒロインは七七のアバターみたいな存在なのかもしれないですね。

各ヒロインは七七が自分の幸せをイメージできない故の障害の投影の様な存在に近いのではないでしょうか。自分の意識以外のものは想像出来ない以上、七七自身がサイコパスだから必然的にサイコパスをロールさせられていたみたいな印象。

七の出目をずっと強調されてきたけど出目というよりサイコロを壊す事のほうが重要。

七の出目を出す為にはサイコロを割る必要があるので、サイコロが壊れたおかげでサイコという檻から解放されたのが各IFルートという位置付けなのかな。

その結果、夢の住人同士は幸せな結末を迎える事が出来た、って構造だと思います。

つまり「ろうごく」のめたろーと、各ルートのめたろーは全く別物の存在です。

ややこしい事に夢の中でもめたろーは「ろうごく」にいるんだよな。でも多分これで合ってると思う。

 

各IFルートプレイ順の感想

罪子

え、お前なんか全然大丈夫そうじゃないゾ?!

本当に幸せルートか心配になってきたゾ〜。

出自を考えると七七に巻き込まれだだけで完全に被害者なんですけど、お姉ちゃんの言うことぐらい聞かんかい。そういうとこだぞ。

 

災子

珍しくめたろーが主人公やってた。

災子編は最後までチョコぎっしりで満足感ありました。このゲームに期待して見たかったものが見れた。

七七あんまり関係なかったね。

これは本編のスチル。一連の独白はこのゲームでしか味わえないカタルシスあり。



祭子

七七と雪丸がいない事によって上手くいったIF。

まあサイコパスっていうほどかって感じだったし、そりゃ上手く行くよね。っていう印象。

多分恋愛じゃない。

 

骰子

5と同じで手を離さなければルート。

お話としては素直なので特に述べる事がない。

骰子の制服がかわいいくらいしか書くことがない。

 

才子

良かった〜。キャラとしては重音が1番好き。

 

もしもあの時殺していなかったらIF。

選択をするのが重音なので、やっぱめたろーじゃなくて重音が主人公で才子がヒロインの物語なんですね。

モブとしては良い仕事したなめたろー。

モブのくせにいいこと言うじゃん。

 

斉子

もしも七七がいなければIF。

まあ七七が居なければ拗れる要素ないよね~。めたろー家は相変わらず大変なことになってるはずだけど。

斉子も全編面白かったな〜。CVの魅力も強かった。

 

面白いのはメタ能力が無くなった事を独白している事。

第4の壁を突破していると思いきや、正確にはゲームマスター(七七)に干渉する能力だったんですね。七七が居ない世界だから物語に干渉できない普通の少女になったって事でしょう。よく漫画家がキャラが勝手に動くっていうけどそんな感じだと思う。

メタ能力がなくなっても読心出来るのはさすが元ネトスト勢

 

 

おまけ

あ、これ過去作やってないと全く分からんやつじゃね???

と思ったものの分かる範囲で物語を整理してみたいと思います。

 

七七が目覚めた事で、夢の世界が消えて無くなってしまう中で、めたろーは七七を迎えに行く。各ヒロインに送り出されて最後に辿り着いた七七はカロンと名乗り、逆にめたろーを迎えに来たと語る。

カロンは七七とは別の存在で、姿を借りているだけでしょう。ここがややこしポイント。

 

カロンはギリシャ神話の冥界への水先案内人。

三途の川よろしくこちらでも渡賃が必要になります。

6人のヒロインから受け取った花を対価として受け取る、とカロンが言っているのはそういう事ですね。6つの花だから六文銭とも掛けてるんでしょうね。

夢の中のめたろーにとっての死とはどういう事かというと、夢の世界の消滅とも取れるし、役割を全うした=死とも言えそう。

でも過去作のキャラが登場している点から考えると、メタ的な視点が強く、物語の終わり=死を意味しているのかもしれないですね。製作者と同じ名前を冠しているカロンが見届け人である事からこの意図が強そう。これまでの過去作のプレイヤーのアバターとしての主人公の供養という側面が強いように感じました。だからおまけなんかな。

 

 

全然関係ないんだけど、冒頭の星屑の見える山の描写がBGMも含めて山城朝子著「星と熊の悲劇」という短編で想像した景色にすげぇ近くて勝手に嬉しくなりました。グロありスプラッターありの感動ホラー小説なのでカロン作品好きな人はきっとこちらも好きだと思います。気が向いたら読んでくれよな。

 

 

おわりに

胸糞率が高いのかと思いきや、エンタメ性のあるホラー描写が多くて想像より「楽しい」の比率が高くて良かったです。

考察や深読みしがいがあったのも面白かった。

 

推しは重音。

キャラとしては災子も好きです。

スピンオフがあれば見たいのは斉子。

そんな感じです。解散!