はじめに:クリア時間と難易度
アイテム100%まで遊んだのでレビューしていきます。
プレイ時間はクリアまで10時間。100%達成で13時間ほど。
マップを眺めている時間は入ってないみたいなので15時間くらいは遊んだんじゃないでしょうか。アクションの腕は下手でもなく上手くもない位なので、ちょうど中間くらいなんじゃないかな~と思います。
難易度は高い、と巷で言われていますが、反射神経や緻密な精度が要求されるタイプじゃないです。クリアだけなら特別上手くなくても根気さえあればできると思います。
ざっくり特筆ポイント
- 2Dメトロイド要素はそのままに、3Dアクション演出の派手さを取り入れたバトルシーケンス
- 初心者に優しく、やり込み派にも応える懐の深いマップ構造
- 難易度は高いが全方位に行き届いた死にゲー
総評 9.4 / 10
2Dのメトロイドのプレイ感はそのままに、ド派手なQTEバトルと、E.M.M.I.によるステルスホラー要素がシームレスに挿入される印象のゲーム性。
プロモーションで訴えているほどには『恐怖』にゲーム性が全振りされている訳ではなく、あくまで一要素。どちらかといえばストーリー面で根底に流れる重要なテーマという意味合いの方が強い。
メレーから始まるアクションの爽快感
いわゆるパリィであるメレーカウンターが必須級の重要アクションとして位置づけられている。通常時の敵はほぼ一撃で倒せるし、ボス戦でも恩恵が非常に大きい。
特にボス戦では回復アイテムをゲットしつつ、特殊なQTE演出・グラブシーケンスに発展する。グラブシーケンスは普段のサイドビューから大きくカメラが寄るド派手なアクションシーンだ。サイドビューからシームレスに移行し、没入感の高いド派手なアクションが楽しめる。
QTEといってもネガティブな要素はなく、演出中ミサイルをぶち込み放題のボーナスタイムである。ド派手な殺陣を楽しみながらミサイルを打ち込みまくるグラブシーケンスは、攻略的な恩恵も相まってかなりの脳汁感。
2Dメトロイドヴァニアではどうしても視点が遠いため、アクション的な映像美は楽しみにくかった。本演出はこの点を見事に覆した画期的な演出だと言える。また殺陣自体のクオリティも昨今の3Dアクションに全く引けを取らない質の高さだ。
ステルスホラー要素E.M.M.I.が産むメリハリ
目玉として推されていたE.M.M.I.による追跡要素は緊張感がある。捕まるとほぼ即死なので、ライトなクロックタワーの様なイメージだ。
といってもゲーム性を左右する様なインパクトの強いものではないのが正直なところだ。E.M.M.I.が出現する場所はゾーンで区切られており、失敗しても直前からやり直せる。怖さよりもどうやって切り抜けるか、というかステルスゲー的な感情のほうが直ぐにメインになる。
もちろんつまらない訳ではなく、あくまでも全体の中での一要素に過ぎないくらいの比重という意味だ。
ボス戦の爽快感の派手さと対になっており、全体としてのメリハリやテンポの良さを生み出すのに一役買っている。
E.M.M.I.だけでも全部で7体登場し、他のボス戦も含めるとボスの数はかなり多い。おかげで矢継ぎ早にボス戦が来るのでテンポが全くダレない。進行次第だが、ストレートに進めると2、30分に一体のペースで常にテンポよく展開していく。
E.M.M.I.自体も最終的にはきっちりぶっ飛ばしていけるので、探索にストレスを抱えっぱなしという訳でもない。ご安心を。
マップの造形
マップの造形はさすが任天堂。さすが本家メトロイドヴァニア。
ストーリーを進めたいだけの初心者には優しく、寄り道探索を極めたいやり込み性には手厳しいというお手本のような作り込み。
得られたギミックを使って通れる場所をさりげなく誘導する作りになっているので、素直に進めればストーリーを進める分にはそうそう困らないように作られている。
とは言ってもどこの壁が壊せるかはある程度の『メトロイド勘』的なスキルが必要ではある。そもそもメトロイドヴァニア自体がそういうゲーム性なので致し方ないが、さりげなくカメラ視線が誘導してくれたり、マップがかなり丁寧に情報を書き込んでくれているので丁寧にプレイすれば答えてくれるようなフォローは充実している。
しかし隠しアイテムをゲットするために寄り道しようとすると、話は全く別。かなり挑戦的な作りである。詳細は後述。
パルクールを取り入れた圧倒的な触り心地の良さ
今作で影のMVPとでも言うべき特筆すべき点が、パルクール要素だ。
サムスの半身くらいの高さなら引っかかっただけで自動的に乗り越えてくれる仕様になっている。おかげで理不尽な落下がほとんど発生せず、移動によるストレスを全く感じない。
それどころか、吸い付くように移動してくれるので手触りが良く、移動するだけでも気持ちがいい。常に触っていたくなる操作性の良さがある。
操作は複雑、難易度も高いが親切な設計
ボス戦の難易度は非常に高く、死にゲー的なバランスとなっている。
敵の動きをよく見て、解法を理解すればクリアできるタイプで、緻密な操作精度や反射神経を求められる内容ではない。セレステやカタナゼロ的なパズル系の死にゲーが近い印象。
オートセーブがかなり親切でリトライ性が高い事もありストレスを感じることはほぼ無いだろう。
操作面に関していえば決して簡単とはいえない内容で、実際にボタンもほぼ全て使用する。
だが、探索に応じて1つづつ操作が増えていくのでチュートリアル面はかなり丁寧。自然と使えるボタンは覚えていく。
問題はプレイの間隔を空けてしまった場合。ボリュームを考えると数日で一気にクリアするのをお勧めしたいところだ。
総合的な難易度は一般的なアクションより高いが、痒いところには手が行き届いていると言っていいだろう。
ただし、探索を極めると話は別。隠しアイテムに必要なスピードブーストを中心としたステルス仕様は一切説明されない。やりこみたい人には丁度いいのかもしれないが、上級者向けにはかなり挑戦的に作ってある。
良かったポイント・微妙なポイント
良かったポイント
メレーから始めるグラブシーケンスの爽快感◎
パルクールによる触り心地の良い操作性◎
初心者に優しく奥が深いマップ造形◎
理不尽さのない高難度バトル◎
最低限かつ必要十分のストーリー○
微妙なポイント
各エリア間のロードの長さ△
プレイ間隔を空けると厳しい操作ボタンの多さ△