意外と一気にクリアできてしまいました。
クリアまでのプレイ時間は4時間くらい。
スケッチブックのらくがきやかいぶつの収集物を全部集めたり、ペイントをじっくり楽しむと人によっては10時間くらいはかかるかも。
めちゃめちゃ感動するー!っていうテンションではないけど、佳作映画のような丁寧でまとまりのあるストーリー。好感が持てます。
※ネタバレあり注意※
後半にとある仕掛けがあって、かつこのゲームは致命的なスポイラーにならないと思うのであえてネタバレありでレビューしていきます。
気になったら短いのでプレイしてみてほしい。
概要・ジャンル
ある事情で人の姿が消えた街デンスカにやってきた主人公アッシュ。
偶然手に入れた魔法の筆を使って街に明かりを灯していく物語。
ジャンルとしてはアクションアドベンチャー。
壁にかいぶつと呼ばれるモンスターを描いて助けてもらったり、花や蝶などのエフェクトを描いて街に光を灯していくうちに 、街が徐々に明るくなってていきます。
なぜか誰もいない街にたむろしているイジメっ子たちの妨害を避けながら、明かりの範囲を徐々に拡げていくことがゲームの目的。
軽い謎解き要素やステルス要素もありますが、基本的にライトです。
アクションが苦手でも大丈夫。
ペイント操作が似たジャンルだと大神でしょうか。
このゲームはアッシュを動かしながらのペイントも出来るので、走り回りながら落書きしていくのが楽しい。
※ここからがネタバレポイント※
物語の後半、街に溢れ始めた怪物に対抗するためにアッシュはさらなる力を得ます。
今まで街を灯す事に使っていたペイントを怪物と戦う事に使うわけですね。
要するに後半からキングダムハーツみたいなキラキラしたバトルアクションに変化します。全く操作性が変わるんですけど演出が丁寧で盛り上がります。
何よりエフェクトがカッコいい。
勿論ペイントもそうなんですが、キラキラしたエフェクトの動かし方が光ってます。
次回作以降もこのエフェクトのセンスを突き詰めていってほしい。もっと凄いものが見られそうな片鱗を感じました。
良かったポイント
適当に描いても画になるペイントアート◯
ペイントはジャイロ操作とコントローラーからの効果音のおかげで自分で描いてる感覚がしっかりある操作性。
その上、各エフェクトが綺麗に拡がるので適当に描いてもそれなりに見栄えのするモノになり達成感がある。
だから純粋に描いてて楽しい。ペイントすると楽器の音が鳴ったり、電飾が灯るので手触りだけでも充分に楽しめます。
自分の描いた足跡が映るカットシーン◎
ここが1番良かった所。
ムービーがプリレンダではないので、自分で描いてきた各ペイントアートや召喚したかいぶつたちはカットシーンでもちゃんと反映されています。そのおかげでシナリオ自体は抑えめなのに結構グッとくるシーンが多いです。
自分で産み出したものに対する愛着を上手く表現している。
こぢんまりとしているが丁寧なストーリー◯
ストーリーは前例の世界観や魔法に対する条件など、細かいところの整合性はあまり重要ではない感じの寓話的なお話ですが、テーマ性は綺麗にまとまってたんではないでしょうか。
街に光を灯し再生させる、というゲーム性と再生のストーリーは上手くマッチしていたと思います。
後半のバトルパートも意外性と驚きは合ったものの、唐突感はなかったです。エフェクトの映像美も綺麗でスケートで滑るのも楽しかったです。
微妙なポイント
盛り上がりがスロースタート×
盛り上がるまで期待が持てなさそうなのが頂けない。ただそこで止めるのはもったいない。
そこまで致命的に悪いわけではないですが、ストーリーに期待感が持てないんですよね。
物語開始で割と胸糞ないじめっ子描写に始まり、物語の前提の世界観とアッシュの行動目的が全く明かされないので感情の拠り所が全くないです。
でもまあ短い物語なので、スロースタートな映画を見るような感覚で。前半はペイントを楽しめばよいと思います。
後半の盛り上がりを演出するためとは言え、もうちょっと入りやすい導入にして欲しかった気はする。
まとめ 8.0/10 再生の明かりを灯すADV
ペイント自体は楽しいし、「かいぶつ」はかわいいが、シナリオが盛り上がるまでが長い。出来れば時間のあるタイミングで一気にプレイしたい。
佳作映画のような丁寧にまとめたストーリーと、触り心地のいい塗り絵ペイントを味わってほしい。