ここからはキャラについての感想とネタバレ考察についてです。
考察っていうか明示されていない所こんな感じだったよな?という整理のための備忘録ですね。ツッコミがあったら教えていただけると嬉しいです。
バチバチのネタバレなのでご注意下さい。知ってしまうと楽しめないタイプのゲームです。
バッドエンドの定義
結論から言うと主人公の死因でしょう。
バッドとワーストの違い
- WORST END→黄泉落ちした雪乃によって殺される
- BAD END→壬生に刺される
ワーストエンドのラストの記述で、知っている顔、見たことのない表情、髪を振り乱して、とあるので黄泉落ちした雪乃で間違いないと思います。未海が鷹目を使った事も状況と一致。
選択肢によってバッドっぽい結末は何種類か見れますが表記されるのはWORSTとBADの2種類。
- WORSTは誰のルートへも行かない場合と、舞美を夏祭りで追いかけない場合。
- BADは雪乃ルートで財布を取りに行ってしまう場合。
違いといえば家にやってきた未海との対話後の展開ですよね。
山城先生の生存はあまり関係なさそうです。舞美の正規エンドで山城先生により壊滅していてもバッド表示がないので。
上記の条件から、ワーストの定義は恐らく主人公の死因。
雪乃に殺されるのが最悪。そりゃそうだ。テーマとしても合致してます。
舞美がことされるシーンを持ってくることでメインヒロインと思わせるミスリードも兼ねてるわけですね。
未海ルート以外の顛末
- 沙也ルート→目障りになったミス研を壬生が襲撃。
- 舞美ルート→壬生は沙也によって止められ、雪乃も町から出て行ったが、山城先生により大量虐殺。
バッド描写はないですが、ニカレイ・雪乃ルートも脅威は排除できていないので余りいい終わり方ではないでしょう。
- ニカレイ→ワールドエンド撮影中止のため壬生は大人しくなったと仮定しても、雪乃が黄泉落ち。
- 雪乃ルート→壬生は捕まり、雪乃は町から離れたところで消滅。ただし山城先生は残っているので舞美ルートと同様の結末に。
雪乃は多分主人公を起こした辺りの電車内で消えてしまうんでしょう。
OPムービーとか黄泉人伝説について
OPムービーの壁画、物語に登場したモチーフが網羅される良くできたムービーです。
1番最奥に書かれているのは主人公を操っているプレイヤーだと思います。主人公をコントローラーで操ってる。
メニュー画面のアイテムや「つづきから」の自転車など、物語には本質的に関係がない部分のモチーフも多いです。
これが黄泉人伝説を描いた壁画だとしたらメタ的な視点が黄泉人と関係してくるんでしょうか?
続編での構想という事なんでしょうか。
そもそも黄泉人が何を起源に発するかという事には至らなかった物語ですが、
魅果町限定の現象である事、神代家の具体的すぎる伝承など、てっきり神代家が起源を握ってると思いきやただのハリボテでした。
甘奈家も忠実に家訓を守っているだけで、現象の起源とは深く関わりがなさそうです。
禁足地自体の来歴や、時期外れの蛍などが消化しきれていないので、この辺りも次回作に期待という事なんでしょうか。
各ルートの感想とか
レビューでも書いたんですけど、無理に恋愛に絡めなくてよくない?って思ったのが舞美と雪乃。
雪乃ルート
結果的に巧妙なミスリードだったので、雪乃のネタバレを隠す意味では仕方ないのかもしれないですが、主人公は恋愛感情ではなかったでしょう。でも雪乃の方は完全に惚れてましたよね。
このずれがちょっと切ない。
だったら恋愛じゃなくて友人としてエンドを迎えた結末のほうがスッキリしたのになぁ。
読み直すと、主人公の「行かないでよ」の意味が全然違うニュアンスだった事が分かります。こういう周回による味わいの違いはいいですね。
ラストシーンの「泣かせるなよ」なんかもそう。
欲を言えば、もう言及するチャンスがないので真相編のTIPSで家族・姉弟間のエピソードがほしかったなぁ。
TIPSには十分な量もあって楽しませてもらいましたが、舞台設定面が多いため、ヒロインの魅力の補強がしっかり出来ていたのは未海くらいだった。
舞美ルート
話が動かないからグイグイ来る系ヒロインばっかりだった本作の中でもとりわけ翻弄され続ける舞美。
海水浴の告白シーン、びっくりっていうか段階飛ばしたな〜っていうのが正直な感想。
他のヒロインなら分かるけど、お前その片鱗全くなかったじゃん。月岡ひかるの声が好きっていうのが効いたのかもしれないけど主人公最後まで気づかないしな...。告白するにしても最後の線香花火のとこがよかったなぁ。
言葉にしないと伝わらないよ、って意味では壬生との件もあるし、肝心な事に限ってなかなか本心を言い出せない性格なんでしょうね。全く読み解けなくて翻弄される辺りがリアリティあって楽しかったです。楽しかったんかい。
月岡ひかるの件も、壬生の件も、追っかけてる間はミステリアスで複雑な多面性を感じさせるのに、蓋を開けてみればなんて事ないってのもリアル男女関係あるあるですね。
でも個人的には、従兄弟として言いたいことを言い合えて、たまにデートするくらいの良き親友の方が尊い関係性だったんじゃないかなとは思います。まあ強いて言えば真相ルートがそうか。
沙也ルート
1番の推しになりました。
本人のルートよりその後のルートで株を上げ続けてどんどん魅力的に。皮肉にも壬生絡みで。
これでヒロインじゃないってマジか~
完全無欠のスペックなのに家庭環境ガチャで引き負けるのが二階堂家の宿命なんでしょうか。
父親だけはまあいい人っぽいけど、神代堂の業績のTIPS見ると商才ないんやろなぁ。子育ても失敗してるし…。
沙也が取締役に就任してからの方が神代堂は伸びそうです。幸せになってくれ。
ニカレイルート
「ワールドエンド」を諦める展開が意外だったけどシナリオは1番無難でした。
めっちゃいい子なんだけど、禁足地に行ってみようって言い出した辺りで後先の考えなさに一抹の不安感を覚えました。やっぱりシャーロットさんに付いてて貰わないとダメっぽい。
そういえば沙依さんは沙也を身篭ったから二階堂家から逃げ出したって認識でいいんでしょうか。
未海ルート
丁寧に掘り下げられていたので取り立てて語りたい事ないんですよね。
092「寝ちゃった」のTIPS・どこでも寝れる、寝るのが大好きとか、
095「突っ込むのはやめよう」異様に涙もろいとか
TIPS周りでかわいい要素が多かったですね。
こういう語り方もアドベンチャーならではでいいですね。
本編でやれば更に人気出そうだったけど、流れを崩さない様にしたんでしょうか。
小ネタとか
大鷲について
そういえば大鷲って3人しか名前を明かされてないですよね。
大和、竜崎、バーテンダー。
舞美ルートで大和含め4人出てるので、もし月見里彩芽が5人目なら一応全員出てることになるのか?その場合は、1人だけNo nameのモブという事に。
てっきり沙也の執事の服部さんがそうだと思ってたら舞美ルートであっさりのされてましたね。忍術活かせよ。
空の正体
黄泉人が誰かを考えるとき、雪乃が黄泉人だった場合、苗字が違うのはなぜかというところで引っかかるわけです。雪乃の記憶が混濁して名前を捏造したのかと想像してたのですが逆でした。
見返すと、空の正体を知っている人物は結構いるんですよね。
まずは山城先生。
TIPS035「私でよかった」にある通り、山城先生は空の本名を知ってます。
異様に気に掛けてくれるのも納得がいきます。自分が呼んでるんだから。
あと壬生。
パンダ男の時にペラペラ喋ってます。
どうしてこれを知ってるのか謎ですが、炎上したみたいだし、調べようと思えば顔まで分かるレベルで情報は出回ってるんじゃないでしょうか。
そして竜崎。
たまたまにしてはかなり的確に地雷を踏み抜いてるので調べたのではないかと。
この通り、大人が知ろうと思えば何をやってきたか調べられる状況にあったので空はいい大人に囲まれてて運が良かったですね。壬生以外。
なぜ3人も知っていて、音無性から雪乃との関連性を疑わなかったのかは謎が残ります。
どんな事件を起こしてきたかは分かったが、本名までは知る事ができなかったって事なんでしょうか。
山城先生に至っては確実にフルネーム知っていたはずです。雪乃との関連性に疑問を持たないタイプには見えない。雪乃が終盤そうだったように黄泉人の存在に関係する事柄に記憶のロックがかかるんでしょうか?
罠なんてどこにあったんじゃい
やっぱ竜崎刑事ただのポンコツなんじゃ…
事情を知らなくても地雷を踏み抜くこともあるので注意。空はどんな気持ちで聞いてたんだこれ。
山城先生の伏線
推理ではなくこのシーンを見て先生が黄泉人なのを確信した。
ここから落ちたんだな…
あとはOPの映像思い出せば疑いようがない。
本筋でない細かいところに散りばめられているネタがいい味しています。
まとめ
レビューの方に、ストーリーの総括的な感想を書けなかったので、こちらに書きます。
最後まで楽しかったし、不快感みたいなものが無くて良いストーリーだったと思います。壬生はせめて黄泉落ちしててほしかったが。
終わってみれば
- 主人公の設定が絶妙だったこと
- ヒロインの書き込み特に、舞美と雪乃の家族的なエピソードはもうちょっと欲しかった
あたりが印象に残ってます。
今後の青春ものってSNSとか炎上というテーマから逃れられない、どころか価値観のベースに既になってるのかな~っていうのが興味深いです。どこまでの過失で誰ならやり直すことが許されるのか、みたいな事を考えさせるポイントとして主人公の設定は良かったです。テーマの着眼点が面白かった。
推しの子とか、天気の子とか、当たり前にSNSが価値判断の基準になりつつある。
プロットと世界観的にレイジングループとか、ひぐらしとかと比べられているっぽいですが、
キャラクターの密度を求めるならレイジングループ、
物語の濃さならひぐらし、
爽やかな恋愛なら本作って感じですね。
ひぐらしとレイジングループも面白いですけど、キャラも物量も濃厚でクセ強めなので人は選びそうです。最も似ているらしいAnotherは履修してません。残念。