Switchの「いっせいトライアル」が開催中なので超有名作をこの機にプレイ。
とりあえず1周目をクリアしました。実績欄を見るに5周クリアで正式なクリアっぽい?
前回のファイアーエムブレム無双に引き続きチョイスが絶妙です。
クリア自体はアクションが苦手でなければ不可能ではないですけれど、やり込み要素のボリュームは到底1週間で制覇できる量じゃないです。これでセールやってるなら買っちゃうな。
クリアの定義を考えると底なし沼な気がするので、ひとまず1周目をクリアしたところで感想を残しておきます。
35周目でクリアしました。
プレイ時間は多分10時間弱くらい?
アクション得意な方ではないので上手い人はもっとあっさりクリアできると思う。
1プレイが長くても40分とかなのでちょっと時間が空いた時にうっかりプレイして、結局しばらくやってしまう中毒性があります。
ストーリー?
裏設定はそれなりにありそうですが、ストーリーらしいストーリーは全くと言っていいほどなく、「うるせぇ!つべこべ言わずにとにかく登れ!」と言わんばかりのゲームプレイに重きを置いたストロングスタイル。
クリアしてもなんもないです。何事もなくスタート地点に戻ってきます。
グロ要素
ちなみにビジュアル的なグロ要素はありますがなんかノリが軽いというか、生理的嫌悪感みたいなのはほとんどないです。
血が出るのを見るのもイヤってレベルでなければ全く気にならないでしょう。
ファッショングロです。ブラスフェマスとパッと見の印象は似てますが似て非なるレベルですね。
これはアクションゲームではない
このゲームの1番特徴的にして革新的な部分は新しいジャンルのゲーム性を構築した事。
Dead Cellsは横スクロール型探索アクション、いわゆるメトロイドヴァニアと呼ばれるジャンルにローグライクゲーム(シレンやトルネコの様なジャンル)を融合させてローグヴァニアと名乗っています。
探索の重要性
最初はローグヴァニアとは言っても結局のところアクションだなぁ、と思いながら自動追尾が効く電撃ムチでガンガン敵を屠るプレイをしてたんですけど、なかなか進みませんでした。
時計塔のボス(ラスト手前)が全然超えられない...。
いやきっと、アクションが上手ければサクッと超えられるんでしょうけど負ける度にスタート地点からやり直しになるため中々パターンを覚える機会がやってこない。
それでシステムをちゃんと見直しました。
結果、敵を倒す必要性が薄い事に気が付いてからサクサク進むようになりました。
このゲーム、主人公のステータス強化を途中で取得できるスクロールと呼ばれるアイテムに頼ってるんですよね。
敵を倒しても経験値は得られないわけです。
つまり敵を避けつつ、強化スクロールを探索するのが基本方針。
ちゃんと探索を重視したシステムになってるんですよね。
シンプルなアクションゲームだという思い込みがクリアの難易度を上げていたというわけ。
探索により非常に有利になるという点から、スケール感はミニマムながらもしっかりとメトロイドヴァニアの要素を組み込まれています。
また途中のチェックポイントでは制限時間以内に到達出来るとボーナスアイテムが貰えるので、敵を避けつつ、探索をしながらもスピーディーに駆け抜ける事が求められるんですね。
ここが探索への緊張感とスピード感をうまく演出していて、ダレないリプレイ性に繋がっていると感じました。
プレイヤースキル=取捨選択のノウハウ
武器は多種多様な得物が使えます。
パラメータもランダムなのである程度は運にも左右されますが、一般的なローグライク同様、ステータス強化の仕組みや相性のいい武器・スキルの組み合わせについて知識があれば難易度は段違いに下がっていきます。
ローグライクと言えば取捨選択のうまさによって難易度が大きく変わるのが醍醐味で、Dead Cellsはこういう点で見事にローグライクしているなと感じました。
探索+取捨選択の重要性=ローグヴァニア
と言うわけで、ぱっと見の印象で勘違いしていましたが反射神経のプレイヤースキルが求められるアクションではなく、丁寧&正確な探索と取捨選択のノウハウが難易度の大部分を左右するゲームでした。
なるほどこれはローグヴァニアというしかない。
もちろん最低限の立ち回りが出来る必要があるのでアクションがとにかく苦手、というレベルの人には厳しい難易度だと思います。
でも回避の無敵時間やパリィの判定も他の死にゲーと比べると甘めです。
自動攻撃してくれる罠スキルも強化すればかなり強いので苦手なボスなら火力を罠に頼って回避に専念することも出来る。
根本的なレベルで下手でなければ戦略の方でカバー出来るというバランスがガチなアクションの死にゲーとは違う部分と言えそうです。
ポップで虚無な世界観
滅びの近い割と絶望的な状況である筈なんですけど、主人公はよく分からないままひらすら上を目指し、謎のボスを倒し、そしてスタート地点に戻ってきます。
なんの意味があるのか。目的はなんなのか。
目的?ゲームを遊ぶとは目的はなんだ?
いや、そもそもゲームを遊ぶ事に意味はあるのか...。そんな哲学的な問いがあるのかは分からないけど虚無感満載の世界観はひらすらゲームを繰り返し遊ぶプレイヤーそのものの比喩に見えてくる。
退廃した絶望世界にあっても困ったらサムズアップでなんでも押し通す主人公の能天気さとか、ゲームしてるときの我々プレイヤーにそっくりじゃない?
そう言われれば収集者の通路にいる山の様な死体もこれまでのプレイヤーなのかも…。
なんでとか関係ないんや!登りたいから登るねん!...そんなゲーマーの心象風景が切り取られたような世界観に強く感じます(僕だけかも)
まあ設定は探索中にあるアーカイブを丁寧に追えば意味があるのかもしれませんが、特に答え合わせをしたいとも思わないです。そういう雰囲気。
不思議な世界観です。
モチベーションの源泉
まるでひらすらローグヴァニアをやりたい奴のために作ったぞと言わんばかりにただひたすらに塔を登り敵を倒し続け、そしてまた振り出しから始めるストイックなゲームプレイ...。ラスボスを倒してもなんの説明もなくスタート地点に戻されて最初からやり直しです。まあ自分で戻るんですけど。
じゃあ「何をモチベーションにプレイするんだよ」って所ですけどスタート地点にあるこれですよね。
ザ・コレクション。
まるでおもちゃ箱です。
一度習得した武器はフラスコの中に標示されどんどんカラフルになっていくのは...そんなに収集癖がない僕でもなんだか楽しくなってきます。
思う存分武器を集めてくれというダイレクトなメッセージ。
武器の性能もアクションも種類によって全く違う手触りなので知らない武器が出てくると単純に触ってみたくなります。
しかも悉く動きが滑らかでカッコいいんですよね。
動かすだけで楽しいアクションなんですよ。
ただただ動かすのが気持ち良いのでそれ自体もモチベーションになっています。
アクションの効果音も気持ちいいものばかりですし。
まとめ 素晴らしい(8.6/10)
- アクションゲームに見えるけど確かにこれは「ローグヴァニア」
- とにかく動かすだけで気持ちいいアクション部分
- 探索&収集を永遠に楽しみたい人向け
- ストーリーなどいらない
沼です。
スタート地点のカラフルになりつつあるフラスコを見て「あ、集めてーな」と思ったらヤバいです。
アクションの上手さなんかより数字と戦略の取捨選択によるノウハウがモノを言うシステムなので、ローグライク好きな人でもガッツりハマる要素はあると思います。
1つ惜しいのは音楽。打ち込み感の強い単調さが好みじゃなかった。
この世界観ならもっとポップなジャンルで攻めても合うと思うんだよな~。もし音楽が好きなら沼から逃げれなかった気がする。