取りこぼしてたのでプレイしてみました。
Switch版をプレイ。
とりあえず1周クリア。1周目はじっくりやって2時間ほど。
周回して色んなエンドを回収していくタイプのゲームなので、もっとプレイしていきたいと思っています。
ジャンルと概要
架空の国家ノヴィスタンの新聞社ノヴィニュースの編集長となってその日に載せるニュースを選択・承認していくアドベンチャー。
それだけ?と思うかもしれないですが様々なフィードバックがあり、結構考えさせられます。
ニュースによって変化する社会の縮図はノヴィニュース社から自宅までの通勤風景で感じ取る事が出来ます。むしろ見せつけられると言ってもいい。このフィードバックパートが細かい変化があり、よく出来てます。
インディーでは有名な、入国審査官となって入国者の可否を決定するADV『Papers, please』のメディア版と捉えるとしっくりきます。というか、ハンコのデザインとか確実に意識してます。
ちなみにローカライズは若干の固さを感じるものの、かなり丁寧で違和感を感じる箇所はないです。
注目ポイント
重い選択が悩ませる
あっちを立てればこっちが立たずで、新聞に載せるニュースを選択するだけにも関わらず結構色んなことに頭を悩ませます。
分かりやすい一例として1つあげると、健康被害に怪しい噂のあるバターバッズという合成酒がある。
これは麻薬とかタバコの比喩商品で、これついてのネガティブな噂を掲載するかどうか。
人道的には載せた方が良さそうに見えるけどバターバッズの製造元は実はノヴィニュースのスポンサーである。そもそもソース元が信頼できるかどうか…。
当然載せるとボスから大目玉を食らう。
初回は忠告だけで済むが2回目以降は大幅の減給を食らってしまう。
正直減給された給料では満足に家具を買うこともできない。
更に後半とある事でお金が必要になった時にとても歯痒い思いをすることになる。
倫理と実利での板挟みはこれに限らず、載せるニュースは周囲の人間関係や世相のあらゆる事に影響する。
とまあこういう感じで、現実の社会でも紙面を賑わせるようなヘッドライナーがどんどん出てきて頭を悩ませてきます。
題材的には普遍的な問題であるものの、遺伝子操作が可能になっているなど、ちょっと近未来めに設定されている世界観です。
でも結局人を悩ませる問題って時代に関わらず大して変わらないよな~っていうのがプレイを通して見えてくるあたり、設定が上手だと思います。
そういう葛藤を真剣に悩んでもいいし、メディアの力によって世論を操ることを全力で楽しんでもいい。
毎日のニュースのラインナップにはランダム性もあるので、周回によって展開はコロコロ変わるのでプレイの幅は割と広いです。
問題は日々の現実世界のニュースにそれなりに関心を持って向き合っている人でないと見慣れない文脈が多く、入っていくのは難しいかも。ということ。
まあこのゲームに興味を持っている時点でおそらく大体の人には大丈夫だと思うけど、ゲーム内で世相とニュースの関わりについて懇切丁寧に解説してくれる人はいないので、ある程度社会情勢に興味があって自分で考えられる人におすすめしたいゲームだな。と思いました。
操作は難しくないけど楽しめるためのハードルは若干高いかな…?という印象です。
おすすめプラットフォーム
結論から言うとSwitch版はお勧めできないです。
このゲームは選択によってかなり細かくパラメータが動いてフィードバックが帰ってくるのが面白いゲームなんです。ですが、ゲーム内に細かい目標設定が提示されないんですよね。攻略情報見てて細かい目標設定となるトロフィーがあるPS4版にすればよかったと思いました。
Steam版もトロフィーはありますが日本語未対応なのでこれから購入する人はPS4版をおすすめします。
プレイのモチベーションに大きく関わってくるので、本当はゲーム内で目標やリワードなどの提示は欲しかった。
ゲームとしての出来がいいだけにちょっと残念。
キャラメイクはあってないもの
ちなみに主人公は男女別で数バリエーション選択できますが、ゲーム内容は完全に男性を想定したテキストになってます。女性でプレイすると結構違和感あるので実質男性主人公一択だと思った方がいいです。
プロモーションの都合か、パッケージには主人公が女性のシルエットになってますが要注意。キャラメイクとかあってないものです。
同僚のエヴィ。完全に”男”として接してくる。同性カップルのテキストには…見えないかなぁ。
まとめ 7.3/10(Switch版) メディア操作で楽しい社会勉強ごっこ
※PS4・Steam版なら0.5点加点の7.8点です。
- ニュースを変えるだけで目まぐるしく踊る社会が楽しめる
- メディアと世論の関係に興味があるなら◎
- 逆に現実社会の縮図として考えさせられる
メッセージ性のある作品としてではなく 、社会なんてこういうものだ。ってシニカルな視点で楽しめるなら良作と言えるでしょう。
そういう意味であんまり子供や学生向きじゃないかも。いや流石に子供はやらないか。
コーヒートークはSwitchでもいいかなぁ…?プラットフォームが多いと悩むぜ…。