独特の死生観を感じさせる革命的なアイディアの傑作パズル
パズル部分のアイディアが唯一無二です。
ギミックが分かった時の衝撃は他では味わえない気持ちよさ。
アプリ配信当初にプレイして結構経ちますが、似たゲームすら見ないですね。
このアイディアはもっと発展していってほしい。
ジャンルと概要
カテゴライズすればパズルゲームという事になるのでしょうが、ゲームでしか体験出来ない芸術作品と捉えた方が楽しみ方としては正確です。
ボリュームも2~3時間程度でクリアと短めでリプレイ性も高くはありません。
ですがギミックは唯一無二の革新性があり、おそらく今後同じようなゲームが出る事もないでしょう。
繊細な感受性を持つ方なら他には代え難い体験になると思います。
逆にコスパを求める方は他のゲームを探した方がいいでしょう。
騙し絵のようなピースが繋がる快感
このゲームの魅力を文章で表現するのはかなり難しい。
4つの独立した風景パネルがあり、それらをドラッグ&ドロップして組み合わせる、クリックで拡大・縮小する事で空間が違うはずのパネル同士で景色が繋がる、などのギミックを駆使しストーリーが進行します。
パネルの中には5つの玉の様なものを探している少年がおり、彼を誘導して導いていくのがメインの目的。
パネル内の少年が目的地に移動できるようにパネルを組み合わせたり移動させていく訳ですが、一筋縄ではいかずプレイヤーはインスピレーションを働かせてパネルの組み合わせ方を考える必要があります。
魅力が伝わりやすいように序盤のギミックの一例を紹介します。
パネルの一致する形を見つけて組み合わせる
パネルをめくると別の風景が現れる
拡大・縮小して別々のパネルが繋がる
入れ子構造の時空に迷い込む摩訶不思議な旅
繋がった先の空間は単純に場所を移動するだけとは限らない。
時間すら超えてしまう。そこでは少年は老人だったり、青年だったりする。
時系列すら入り乱れ、老人の見る夢の中に青年がいたりする。
そんな時間感覚も曖昧な入れ子構造を繰り返し、少年の人生を追体験していきます。
地に足が付かない独特な浮遊感と、ゴールが何処か分からなくなる漠然とした不安感。子供の時、宇宙の始まりを考えると恐ろしくて堪らなくなる感覚に近いです。
そんな短いようで永遠を感じてしまうような旅路こそがGorogoaの魅力だと思います。
まとめ 9.5/10 この濃密な体験は代替が見つからない
- 芸術としては一級品
- ゲームでなければならない理由は確かにある
- 世界観は悪くはないがパズル面の革新性に比べればおまけ
純粋に革新的なアイディアの詰まったパズルゲームとしても面白いですし、それだけでも十分に価値のあるゲームです。
おまけといっても背景となる要素は示唆に富んだ内容で考察が好きな人には好奇心に十分に応えてくれる広がりがあります。世界観や少年の心境に思いを馳せると、この不思議でどこか空恐ろしい旅路をより深く楽しめるのではないかと思います。
Steam版もコンシューマ版もありますが、UIとの親和性でアプリ版をおすすめします。
画像引用元:http://gorogoa.com/