病弱な弟を喜ばせるために兄がゲームになるゲーム。
映像がおしゃれで気になってたんですよね。
ボリューム
クリア時間は約2時間。
最終ステージで躓いたので、スムーズだともう少し短いかも。
価格にして900円なのでまあこんなもんだろう、というかボリューム面には特に不満はないです。コスパを気にする人は買っちゃダメ。
概要・ジャンル
病弱なヒロシを喜ばせるために兄のタケシは趣味のゲームづくりをしています。
でもプログラミング能力が未熟でまだ動くゲームを作り出せない状況。
苦肉の策として、裏からこっそり人力でエネミーを配置することで弟を楽しませようというのがゲームルール。
サイドビュー型のRPGオマージュみたいな体裁で進行していきますが、ヒロシはこちらが配置した順番通りの敵に突っ込んでいくので、実際の所、タワーディフェンス的な思考が求められるパズルみたいな感じです。
そしてヒロシはスリルを求める男なので、ギリギリの戦いに興奮します。
つまりボロボロで勝利する接待バトルを演出する事がこのゲームの目的。
タンク係や遠距離持ちなどの敵の特性を利用して、ギリギリでヒロシが生き残るパーティを配置していく。
ギリギリまでHPを削って勝利させる事でドキドキポイントが溜まっていき、満足度を上げていきます。基本は敵の配置順による演出で、他の介入要素は後半少しずつ増えていきます。
ギリギリの戦いがドキドキを演出する
基本は都度、回復していくのでギリギリで勝たせるタワーディフェンスみたいなプレイ感。気分はレベルデザイン担当。この発想の逆転は面白かったです。
上記の人力ゲームパートと、シナリオが進行するクレイアニメパートが交互に進行していきます。基本ルールはこんな感じ。
難易度はそんなに高くないです。ストーリードリヴンですね。
よかったポイント
色彩センスが映えるクレイアニメ◎
本作品をプレイしたかった理由のほとんどがこれ。
シナリオパートのクレイアニメは滑らかな動きで、表情も豊富。アニメーションとして普通に品質が高いです。シーンによって背景のテーマカラーが設定されてて目への刺激が楽しいんですよね。
また効果音も世界観に配慮して丁寧に作られており良かったです。
期待通り楽しめました。
ただ、アニメパートでに何かしらのゲーム性を持つ操作がなかったのはちょっと物足りなかったかも。選択肢とかあるだけでも没入感が違った気がします。
微妙なポイント
メッセージ性が薄い△
低価格なので、強い感動をくれ!とまでは言わないですが、もうちょっとワンアイディアほしかった
スリルを楽しむゲーム性とか、ヒロシの体の弱さとの向き合い方とか、なんで学校行きたいくないのかとか、もう少し掘れる要素あったと思うけど、勇気を出そう!だけで終わってしまっていたので流石に薄いかなぁ。
スリルを求めるゲーム性が勇気を持つことと近い…と取れなくもないけど、最終戦に限ってそうではないゲーム性を求めてくる内容。ゲーム性とシナリオ面に関連性を求めると齟齬を感じるつくり。
このゲームってコマンドRPG特有の、ギリギリでボスに勝った時の高揚感が根底にあるわけじゃないですか。シリアスなメッセージでなくても、そういった様式美を意識した機転の効いた励まし方とかがあれば良かったけど、それもなかった
シナリオから特に伝えたいことはないのかな~、というのが正直な感想です
運要素がやや強い△
乱数が結構暴れるんですよね
ドキドキ感を楽しむチキンレースなので、ある程度暴れるのはしゃーなしなんですが、「さすがに暴れ過ぎちゃう?」ってレベルの調整でした
乱数の幅が薄いと詰将棋になってしまい、ゲーム性が変わっちゃうので難しい所ではあります。でもストーリードリヴンっぽい内容の割には、チェックポイントの間隔が辛めだったりとか、狙ったポイントが定まってない印象がありました
逆に運要素強くするならもうちょいチェックポイントを細かくつける方が、雰囲気にはマッチしてるかな~といった印象でした
総評 7.0/10 ゲーム付き映像作品と思えば
ギリギリの勝利を演出するってアイディアや、弟を楽しませるってシナリオは面白い視点。クレイアニメも目に楽しく、癒やされました。
時間も短くプレイできるので短編の映像作品を見るような気持ちでプレイするといいかも。
ゲーム性はもっと突き詰めれば新しいジャンルが開けそうな可能性は感じました。が、本作としてはどこに届けたいのかがボンヤリしている気がしました。映像にピンときた人にはおすすめできる感じです。
マリオストーリーもなんですけど、ナイトアンドベイビーっていう誰も知らないであろうRPGを強烈に思い出しました。懐かしい。