南極ゲーム観測所

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【インディーゲーム】美麗なビジュアルの海中散歩アトラクション ~ABZUクリアレビュー

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PSplusでフリプが来ていたのでPS4版クリアしました。

他の海中散策要素のあるゲームと比べるとビジュアルは一歩抜きん出てる印象。

プレイ時間は3時間弱。といってもこういうゲームは体験の深さこそが重要で、あまりボリュームは面白さの参考にならないと思いますが。

水族館の様なアトラクション体験で癒されたい人にはおすすめです。

 

以下、レビューです。

 

 

ABZUクリアレビュー

概要と操作性

お魚と戯れながらスキューバダイビングして様々な海中の景色を見て回る海中散歩をする雰囲気ゲーと言ったところ。

場面は海中がメインで操作はかなりシンプル。

基本的には泳いで前進するトリガーと調べるアクションくらいしかない。

若干移動の効きにクセがありますが、途中で慣れるのと海中の慣性を上手く表しているので没入感に貢献しています。

ある程度の広さのフィールドが一つのシーケンスとしてまとまっていて特定のアクションを起こすと次の海に移動していく。水槽の中に入り自分で泳いでいく水族館のような構成。

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飽きないビジュアル構成

魚だけでなくサメやイルカやクジラ、回遊するイワシの大群など、様々な海洋生物が目まぐるしく登場。海藻や遺跡の様な建物の作り込みも丁寧で景色に圧倒される。

ストーリーや目的は特に提示されず、次のシーンに進む為のナビロボットの様な物を拾ったり特定のポイントでアクションを起こす事で次の場面に移り変わっていくシンプルな構成。

単純といってもシーンが移る度にテーマカラーも変化し、見た目に飽きさせない構成になっているので流されるままに漂っていくだけで癒される。

 

ハイクオリティな音楽

イージーリスニング的なオーケストレーション。
メロディが主張しない音楽でいて、盛り上がるところはド派手に感動を盛り上げる。
繋がりに違和感がない作りなので自然に気持ちが高まっていくのがいいです。
特に急流に乗って魚の群れ達と一緒に海を滑り流れていくシーンは秀逸。
効果音も人工的なシンセ音で表現されるソリッドなアクション部分と、自然物が発するナチュラルな環境音が上手く調和されていて気持ちいい。

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後半のストーリー展開

ストーリーがないのは前半部分までで、中盤に訪れる施設で物語が急展開。

生物も少なくなり画面もうって変わって暗い無機質な施設のシーンが続く。
その頃にはまったり海中散歩を楽しんで癒されようという心持ちになってしまっていたので、個人的には少し興が削がれてしまった。

何かしらストーリーを提示するならもう少し早めに出して欲しかった所。

そうして提示される背景に関してもそこまで琴線に触れる様なものではなかったので、あくまでも繰り返しになりがちなフィールドの移動を牽引するフレーバー的もの。それであれば自然のビジュアルのダイナミックさで引っ張り切ってほしかった。

一旦落とす展開はクライマックスに景色が解放されるカタルシスには繋がってはいるのだけど、提示されるタイミングの中途半端さのせいで、ゆっくりとした海中散歩と探索を楽しみたい人向けなのか、背景のストーリーを想像しながらプレイする雰囲気ゲーを楽しみたい人向けなのかがぼやけてしまっている様に感じた。

それでも最終段の夜のシーンで魚の群れと海面ジャンプをするシーンは思わず声が出る程美しかったし、映像や音楽の美しさの前では全て帳消しにされてしまう小さな問題ではある。

 

主人公がかわいくない

好みの問題だと思うけど、主人公が真っ黒なサルの様な外見で目つきも悪くあまりかわいくない。

色とりどりの海中の景色で主人公だけが異物感を放っているのでどうしても気になってしまった。ナビロボはかわいい。

まあこれも最後までプレイすれば意図的な演出ではあると分かるのだけれど、そういう意味でも海中散歩シミュレータとしてはどうも配慮されていない様な気がするので、なんとなくビジュアルの美しさに惹かれたという人には今一歩勧めにくい要素かなぁ。

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モニュメントで瞑想をすればお魚の名前を教えてくれる

まとめ  7.3/10  海洋生物好きか自宅で水族館に行きたい人へ

○映像と音楽はハイレベル

○飽きのこない景色のバリエーション

△探索要素やシミュレータとしては弱い

×半端なタイミングで提示されるストーリー

ABZU

ABZU

 

 BGMは圧巻のデキ。