ミニチュア風ビジュアルと神トラを理由に衝動買い
買う気無かったんだけど買っちゃいました(アストラルチェインと同じこと言ってる)
スーファミオンラインでうっかり触った神トラがめっちゃ面白かったのと、その勢いで見返した夢島のEDがどう表現されているか自分で見たくなったって感じです。
ジオラマ風の雰囲気が見れば見るほどよかったのも大きいですね。
クリアしたんでレビューを書いていきたいと思います。
僕のプレイ時間は12時間ほどでした。
真エンドクリア。ラスボスでやられたのは内緒です。
ちなみに僕はSFC世代のゼルダはほとんど触れずに来ています。
物語のオチは知ってたけど原作はクリアまでやってない勢です。
神々のトライフォースは最近クリアしたので2Dゼルダ熱は高めのプレイフィールです。
※直接的なネタバレはしていないものの画像などの軽微なネタバレ有です。
ゼルダの伝説 夢をみる島 クリアレビュー
そもそもゼルダの伝説ってどんなジャンル?
知らない人に説明しますと、ゼルダの伝説シリーズはNintendo64ソフト「時のオカリナ」を起点として、2Dゼルダと3Dゼルダと分類されて比較される事が多いです。
というのも両者でゲーム性が大きく違うため。
今作はゲームボーイで出た「夢をみる島」のフルリメイク作品で、2Dゼルダに相当します。
見下ろし型のアクションで、道具を用いてダンジョンの謎解きに挑みます。
使う道具はベースの剣と盾、それに探索やショップでの買い物で手に入るバクダンやフックショットなど様々な道具。
バトルもありますが、反射が求められるタイプというよりは敵の動きを把握して有効な対処法を見つけていくタイプ。全般的に謎解き要素やパズル要素が高めです。
今作はゲームボーイの移植という点からボリュームが多いとは言い難いですが、コンパクトながらも終盤の切ない展開により、今でも人気がある作品です。
綺麗に纏まった絵本のような物語だと思います。
リメイク具合は良くも悪くも原作そのまま
ビジュアルやサウンドは新コンセプトでリニューアルされているものの、ゲーム性は原作そのまま。それで問題なく楽しいです。すごい。
ただ余りにもそのままなのでちょっと古臭かったり唐突では?というポイントが無いわけでもないです。
例えば電話でヒントをくれる、うるりらおじさんに使う電話が黒電話だったり、そもそも施設名が電話ボックスだったり。ミニゲームのUFOキャッチャーに関してはひと回りし切った感があるので逆に新鮮かもですが。黒電話なんて子供に伝わらんやろ。
唐突感に関してはダンジョンの横スクロール2D画面が特に強い。クリボーやゲッソーなど別シリーズキャラが必然性もなく出てくるので当時のプレイヤーでなければなんで?ってなるのでは?というか僕はなった。ゲームボーイの画面なら違和感ないんでしょうけれどね。
流石にちょっと手を入れた方が良かったんでは、なんて思いましたがこれに関しては途中で考えを改めました。
なぜならこれは新規向けのリメイクではないのだな、と感じたから。
横スクロールステージはこんな感じ。
パロディやオマージュに寛容な時代のノリ
マリオやワンワン、ヘイホーなどのキャラクターがどんどん出てきて、なんならメインクエストにも関わってきます。
そのあたりの自社パロディやオマージュに関するスタイルがいい意味で寛容、悪い意味でテキトーな時代のノリがそのまま。
つまりこのリメイクは、そういった完璧でなかった点においても思い出の再現を重視する、一字一句漏らさない完全なる原作ファン向けの方向性です。
ある意味そんな時代の空気感すら閉じ込めた様な再現度だと感じました。
この時代を感じるポイントが残っている点について、新規プレイヤーはどう感じるのか、先入観なしでの感想も聞いてみたいですね。
ビジュアルコンセプト◎
ヨッシーシリーズ系譜のおもちゃ箱の様な箱庭感。
今回はクレイアニメ風。それに被写界深度を浅くしたミニチュア風の撮り方がよく効いてます。画面を激しく移動するとき、若干カクつく様な気がしますが基本的にはグリグリ動いていて質感とともに実在感を感じられるいい手触りです。
水の表現もこの世界にマッチしてて動かしているだけで楽しくて愛おしい。
あとオープニングがアニメだったのもオチを知ってるとグッと来ます。かなり粋です。
気になる点がありつつも素晴らしいサウンド群
BGMのコンセプトは分かりやすくとても素敵。アコースティックで素朴な音に絞られており、映像に非常にマッチしてます。
シリーズ伝統のフィールド曲は引き継ぎつつ、イベントシーンでは「かぜのさかな」をテーマとするモチーフが繰り返し形を変えて演奏され、その切ない旋律が印象に残りやすい。
ただ、CMの「かぜのさかなの歌」のボーカルバージョンがエンディングで聴けると思っていたのでそこだけが非常に残念です。水分を含んだしっとりとしたアレンジの、聴いているだけで涙を誘う出来だったので、おまけ的にでもアップデートで対応して欲しい。
原作オマージュの8Bitサウンドをどの位混ぜてくるのか気になっていたのですが、必要最低限でかつポイントを押さえた中々渋い塩梅でした。
効果音に関しては細かいところで解釈違いな点を感じました。
かの有名な謎解き成功時の「てれれれー」は原作では気持ち良さと怪しさが混在するSEですが、コンセプトに引っ張られ過ぎて柔らかくなってしまい、気持ち良さと不気味さが薄れていたの残念でした。
逆に剣戟の音やルピー、ダメージ音とピンチ時のアラートなどのアクション面での根幹を成す効果音は無難な音に留まっておりSE面ではコンセプトの攻めが甘いように感じました。
ここがもう一歩詰められていればこの箱庭世界の実在感がグッと増したのではないかと思います。
でも足音はよかったです。ASMR的な心地よさがあります。
ビジュアルにも言える事ですが、原作GB版は余りにも想像で補う要素が大きかったので、BGMの主旋律とか敵の見た目とか「あ、そういう解釈だったのね」と初めて分かる要素が多いですね。意外とグロい見た目の敵多かったんだなぁ。
原作未プレイだけど楽しめるか?
楽しめると思います。
謎解きとか探索要素が好きなら非常におすすめ。
ボリュームが控えめな点だけは注意ですが、値段に見合うだけの体験は出来ると思います。
オンライン加入者限定ですが、肌が合うかどうかを試したいのならスーパーファミコンオンラインで「神々のトライフォース」をやってみることを強くおすすめします。
ゲーム性がほとんど変わらないのでこれが楽しめるなら夢をみる島も間違いなくイケます。
神トラはSFCながらグリグリ動くドットなので今やっても映像的なショボさは意外な程感じないです。
2Dゼルダを初めての人に1本おすすめするなら、今までは神トラでしたが今後は夢をみる島1択かなぁと思います。
宣伝。スーパーファミコン Nintendo Switch Onlineの。
総評 9.5/10 そのままだけど、それでいい
- そもそも原作が面白い
- 余計な手を加えてない
- ある意味で新規を切り捨てている
- 音・映像の力で感動要素はマシマシ
原作ファンの見たかったものを見事に再現したリメイクのお手本。
当時のノリ含めて古臭い点も再現されているがそこも含めてのファンが見たいものを再現したと解釈。
思い出を純粋な形で取り出した様な傑作。
最後に
もし原作未プレイでこれから始める人は、マリンと出歩くことになったら攻略の手を一旦止めて、島の中を色々連れ回してみてほしい。きっと後悔しないので。