南極ゲーム観測所

南極基地に引きこもるシロクマの運営するブログ。インディーゲームのレビューを中心にエンタメ&サブカル 。純粋に体験してみて面白かったものや注目のコンテンツを紹介&共有します。ブックマークすると買うゲームが増えます(重要)

【クリアレビュー】ダンジョンエンカウンターズ 〜レベリングとマップ埋めに癒される作業&戦略好きRPGファン向けゲー!迷ったら買うなピンときたら買え【ネタバレなし】

ラスボスまでクリアしたのでレビューします。

丁寧に作られており、PVで刺さった人の期待にはしっかり応えてくれるいいゲームだと思います。

見た目でわかりにくいのでどんなゲームかという点を中心にレビュー。

f:id:Upolaris:20211029155503j:plain

特筆ポイント

尖ってるけど非常にシンプルなRPG

レベリング・マップ埋めが好きなら神ゲー

ショートカットの戦略を楽しめるかがゲーム性のキモ

 

どんなゲームか?

システムはいたってシンプル

非常にオーソドックスなマス式ダンジョン探索+コマンド式RPGです。

エンカウントは黒い数字が書かれた敵のマスに止まることによって発生。基本的に強制エンカウントはありません。

f:id:Upolaris:20211029161028j:plain

バトルはFFでおなじみのATBによる行動順性を用いております。

コマンド内容も、装備武器で攻撃するか、パーティ共有の強力なアビリティを使うかの2択のみ。非常にシンプルな内容。

ステータス強化はレベルアップがメインではなく、基本的にはより良い装備品を付けていくことによってキャラが強くなっていきます。ただし、いい装備品にはコストがかかるので、そのキャパを上げるためにレベルを上げる必要があります。 

 

要するに

レベルを上げて、装備を良くする→キャラが強くなる!

が基本ルーチン

f:id:Upolaris:20211029160617j:plain

 

装備品によって決まる防御力ゲージ

装備で特徴的なのが防御力のシステム。

防具に設定されている防御力をゲージで表現していて、戦闘中は敵味方ともに防御もしくは魔法防御ゲージを削り切る事で初めてHPにダメージが通ることになります。

実質、防御力が「一般的なRPGにおけるHP」のようなもので、今作におけるHPは「サガシリーズなどのLP」に相当するようなものと言えますね。

防御力は戦闘毎に回復するので、HPにダメージを与えられる前に敵を倒す事が前提のバランスです。

一部特徴的ではあるものの、実際プレイしてみると非常に直感的な戦闘システムです。

 

はじめは誰に何の武器種を装備するかでパーティの戦力バランスに頭を悩ませはするものの、一度決めちゃえばそのまま固定で通せる上、キャラによるステータス差も進行にに影響が出るレベルではないです。パーティはほとんど好みで決めてOKな調整になってます。

f:id:Upolaris:20211029160756j:plain

 

いかにショートカットを楽しめるかがカギ

じゃあレベリングして武器を付け替えるだけのゲームのどこに面白みがあるか?

結論から言えば、めんどくさいレベリングを飛び級する快感これに尽きます。

 

装備偏重のシステムなので、適正レベルよりちょっと深めに潜って強い敵を倒していい武器をゲットしてくれば、キャラクターが大幅に強化できることになります。格上の敵相手にレベリングができるようになり、結果的に大幅に時間をショートカットできます。

当然リスクもでかくなるわけですが、必要な情報は敵の情報図鑑であるバトルブックとイベントリストという形で事前に収集可能です。

f:id:Upolaris:20211029162247j:plain

とりあえず行ってみて死んでから考えるというゲーム性ではなく、しっかりと戦略を練って絶対負けない様に思案する方向性です。

で、それが非常に楽しいんですよ。

格上を安全に倒すために敵のステータス情報とドロップアイテムをにらめっこしながら付け入る隙を探すのが本作のキモとなる楽しさです。

 

この飛び級の快感こそが、本作のコンセプトとして語られている「考える」バランスの意図するところと言えます。

この事は探索に便利なアビリティが、最も必要になる階層よりも少し深めの場所に配置されている事からも明らか。少し危険を冒して深めの場所に潜ることでスムーズにレベリングを進められる事が、基本設計になっているといえます。

f:id:Upolaris:20211029162211j:plain

 

横着するほど危険が増える

問題はショートカットに失敗してしまい、深めの場所で全滅してしまった時。

このゲーム、パーティが全滅してもすぐにゲームオーバーにはなりません。

なんとばっちりオートセーブされた上で、控えのメンバーで死体を回収しにいく必要があります

戦闘自体は簡単に避けられるので、控えの弱いメンバーで回収すること自体は容易なんですが、戦闘を避けながらの回収はぶっちゃけメッチャめんどくさい

つまり時間的なリターンを得ようとした結果、失敗すると時間的なペナルティを支払わされるわけです。

 

この駆け引きが一般的なRPGとは違うアクセントになっており、本作の最も特徴的なポイントです。いかに考えながらショートカットを刻んでいくか、はたまた地道にレベリングで階層をあげていくか。戦略を能動的に練られるようになっています。

ただ、素直にレベリングするとめちゃくちゃ面倒なくらい時間が掛かるのでほとんどのプレイヤーがショートカットをどこかの階層で考えるバランスになっているという事は明記しておきます。

 

ちなみにメンバー全員が全滅すると晴れて(?)ゲームオーバーとなるわけですが、レベル引き継ぎでニューゲームになります。つまり、いつかはクリア出来るように作られています。ローグライク系のようにプレイヤースキルが伴わないとクリア出来ないタイトルではないので安心してください。

また、この事からも本作は難易度と時間的コストを天秤にかけるタイプのゲーム性を持っていると言えるでしょう。

横着した分だけ、危険が増えるってコトです。

f:id:Upolaris:20211029162145j:plain

 

マップ埋めに喜びを見いだせるか

戦闘をメインに書いてきましたが、必要なのはレベリングだけじゃありません。マップを一マスずつ踏破して埋める事により、特典としてアビリティの装備キャパが増えていきます。

便利なアビリティを装備するにはマップを埋める事も必要不可欠になってます。

マップ埋めに関しては後半で救済措置と言える便利アビリティもあるので苦痛が伴う様なレベルではないです。ある程度肯定的に作業を楽しめる人なら余裕なレベル。

 

どんな人にオススメか?

  • レベリングが楽しめる、もしくは格上の敵に戦略的に勝ちたい人
  • マップを一マスずつ埋めるのが好き

な人はきっと本作を楽しめると思います。

RPGでコツコツ作業することに癒される人や、シミュレーションRPGで頭を捻りながら格上への戦略を組み立てるのが好きな人にとっては楽しめる要素が多いです。

 

逆にRPGにキャラクター性やシナリオの盛り上がりを求める、ビジュアルやアニメーションがないとテンションが上がらない人は絶対に楽しめないので、やめておきましょう。

 

ただ、最低限の設定らしきものは用意されているのでTRPGが好きだったり妄想が好きな人にとっては物語性も楽しめるかもしれません。

 

プレイ時間/ボリューム

ラスボスまで倒して35時間くらい。

システムをしっかり理解できたのが40階層くらい。そこからはちょこちょこ飛び級しながら進めていったため、以降サクサク進みました。

階層の数よりも、「どの段階でシステムを理解して、飛び級をどこまで挑戦するか」によってプレイ時間は大きく変動すると思います。RTA向きのタイトルですね。

仕様を理解すると難易度が一気に下がるので、基本的には攻略は見ない事をお勧めします。

ただし数値問題に関しては事前知識がないと解けない(数学的知識)ので注意が必要です。こればっかりは攻略に頼るのも致し方ない面を感じました。なにかしらゲーム内で完結させる手段が欲しかったですね。

 

感想/総評

硬派で尖ったタイトルに見えますが、インターフェースや戦闘システムなどは丁寧に調整されており遊びやすいです。

後半に掛けてシステムを理解してくると、バトルスピードやアビリティの選択システムなどモタつきを感じる要素も一部でてきますますが、全体としての触り心地は非常にいいです。

非戦闘時のBGMは基本的に環境音しかないこともあいまって淡々と、しかし黙々と熱中させる中毒性があります。やめどきを見失う吸引力を感じました。

 

パッと見のローグライク的な印象とは違い、地道にレベリングしていけば誰でもクリア出来るシステムです。自分でどこまで深めに潜るかによって難易度を能動的に選択できるところは上手く練られていると感じました。

時間的コストを賭けてショートカットをするというゲーム性を楽しめれば濃い時間が過ごせると思います。

難易度に関しての補足として、一部に初見殺しや理不尽死があるんですが、こういうマゾゲーが好きな人にとってはご褒美の範疇です。サガシリーズを彷彿とさせるエッセンスがありニヤニヤ出来ます。

 

バトルBGMに関してはエレキギター一本というかなりの尖っぷり。非常にコンセプチュアルで面白いです。ただ、エレキだけである説得力は明確に感じられず、個人的にはアコギも取り入れるくらいのダイナミクスは欲しかったなぁというのが正直な所です。実際に静の要素を持ったBGMがあったので強く感じました。全曲クラシックアレンジなのはコンセプトに非常にマッチしていると思います。

 

ストーリーやキャラクターに関してはマジで最低限の設定しかない潔さなんですが、設定自体は結構な濃いめの味付け。絶対に詳細が語られないであろう背景のストーリーに想いを馳せるのは中々悪くないです。JRPG的文脈の知識があるほど楽しめる、大人向けのポイントです。

 

たまにこういう硬派なゲームがやりたくなるんですが、その中でも取っつきやすい部類でした。エンディングとしての区切りもキッチリあり、走り切って終われる非常に自分好みなゲームでした。

 

いいポイント・微妙なポイント

いいポイント
  • ショートカットによる難易度の選択性○
  • ネタ要素としての豊富な初見殺し・理不尽死○

 

微妙なポイント
  • 作業に使えるマーカー機能が欲しかった△
  • アビリティの操作性が不便△

UI周りの不満点。

このモンスターかこのモンスターのドロップを狙おう!って時にバトルブックからバトル番号を色変えしたりマーキングする機能があればかなりスムーズにレベリングができたなぁと。いちいちバトルブックを開き直すのはちょっとダルかったです。究極的には自分でノートを取るのが最良の解決法でした。

アビリティ選択UIにおいてはシンプルに作りが悪い。

  • バトルの早送り機能が遅い△

早送り最大でもモタつきを感じます。ブレイブリーシリーズくらいの狂ったスピードが欲しかった。

  • 知識がないと解けない数値問題くん△

普通に数学的知識を要求される。

考えても分からないならそもそも知らない可能性があります。注意。

今の時代のゲームならさすがにゲーム内に情報を置いて欲しかった。

【レビュー】すみれの空 クリアレビュー 〜オブラートに包んだ闇と幽玄的なビジュアルのコントラストが映えるADV

f:id:Upolaris:20211012015146j:plain

はじめに:クリア時間

クリアしたのでレビューします。

1周は3時間くらい。2周目以降は2時間前後で、最終的にチャレンジを全て埋めるまでプレイしたので10時間弱くらい遊びました。

つまりしっかりハマったわけですが、その一方で、不満点も見えてきたのでその辺りも含めてレビューします。

 

 

 

 

ざっくり特筆ポイント

  • BGM・世界観◎
  • 数々の暗喩によるオブラートに包まれた闇のキレ
  • 一度きりの体験か、ループを繰り返してベストエンドを目指すか、はプレイヤー任せ
  • 自由度はあるがどう遊んで欲しいかの導線が薄く、遊び終わるタイミングが分かりにくい

 

総評

不思議なお花がある日うちに飛び込んできて、植えてみたらアラ不思議。お花が喋りかけてきた。

「とびっきりの一日を目指そう」

f:id:Upolaris:20211012015656j:plain

という、どっかで見た感じのお花さんがナビキャラとして登場する、どっかで見た感じの導入から始まるADV。

 

システム的にはアイテムをやりくりすることで進行する、オーソドックスな脱出ゲーム的アドベンチャー。

システムは単純だが、細かなミニゲームが手を変え品を変え挿入されて飽きさせない。

ビジュアルやBGMが良い事も手助けして1周目はストーリードリヴンのADVが好きなら非常に没入して楽しめるだろう。

f:id:Upolaris:20211012020150j:plain

魅力的なBGMや世界観

中でも低音がしっかり載ったアコギのBGMは、とある一日の時間経過を見事に表現していて素晴らしい。ゲーム開始直後における朝焼けのシーンのワクワク感だけでも雰囲気ゲーとしての価値は十分に体感できるだろう。

f:id:Upolaris:20211012020006j:plain

 

また世界観の作りも特筆すべき要素だ。

冒頭で登場する河原を始めとした、幽世の暗喩と取れるモチーフや登場する花の花言葉が持つ意味など、非常に多くの比喩表現が闇を感じさせる。

f:id:Upolaris:20211012020058j:plain

 

舞台となる街すらそもそも現実なのか、あの世の光景なのか、と惑わせるような作りと言え、幻想的で蠱惑的。深読みが好きな人には魅力を感じられる世界観となっている。

 

f:id:Upolaris:20211012020118j:plain

どこまで遊べばクリアか

問題はこのゲームを何周するかだ。

結論から言うと遊び方が分かりづらい作品である。

どこかで見た様なお花のナビキャラ宜しく、このゲームのエンディングもふつうのルート、完璧なグッドルート、闇が深いバッドルートと3ルートに分かれている。明らかにアンダーテールオマージュである。ただし、本作はどういう順番でプレイしてほしいかが見えてこない。

完璧なルートを辿ってもモヤモヤする要素が多数残り、これで大団円だと言えるほど劇的なシナリオがあるわけではない。

むしろ闇が深いルートの方が演出にキレがある。初めて知れる真相もあり、カタルシスが1番強い。だがゲーム内では完璧なルートを目指す様に促される。

上記の要素からどこで区切りをつければ良いのかが中途半端に感じた。

f:id:Upolaris:20211012020236j:plain

不親切な周回要素

やり込み要素としてチャレンジ項目が用意されているが、周回プレイへの配慮の薄いシステムが問題となってくる。

まず任意でセーブができず、オートセーブ仕様により一度選んだ選択肢はやり直しがきかない。スキップ機能もないため選択を間違えるともう一度始めからやり直すしかない。

一周は2時間前後でクリアできるとはいえ、ほとんど同じ内容で周回を重ねるのはなかなか辛い。

そのためチャレンジ埋めは苦行の領域に片足を突っ込んでいる。

f:id:Upolaris:20211012015433j:plain

オススメの遊び方は

オススメの遊び方は情報を見ずにカジュアルに一周目をクリアしたら、闇ルート→完璧ルートを攻略情報を見ながら進める事。

細かなフラグがたくさん用意されており、ちょっとしたセリフの変化は色々とある。だが、それらを楽しむにはリプレイ面で不便&時間を無駄に消費する要素が多すぎてやや割りに合わない。

不親切な仕様にイライラする前にやめてしまえば、雰囲気のいい素敵な一日を体験できるADVとして非常に楽しめる作品だ。

f:id:Upolaris:20211012020318j:plain

 

良かったポイント・微妙なポイント

良かったポイント

  • 幽玄で美麗な箱庭世界のビジュアル◎
  • 癒しのアコギBGM◎
  • 深読みしがいのある暗喩満載の世界観○
  • いい子にも悪い子にもなれる自由度と多彩なフラグ変化○

 

微妙なポイント

  • 物語やメッセージ性が曖昧でパンチ薄△
  • どこを持ってクリアとするかが分かりづらい内容△
  • 多彩なフラグ変化と噛み合わない周回プレイ時の不便さ・不親切さ×

 

【レビュー】メトロイド ドレッド クリアレビュー 〜安定の2DメトロイドにステルスホラーとQTEバトルが融合!! 圧倒的完成度の傑作

はじめに:クリア時間と難易度

アイテム100%まで遊んだのでレビューしていきます。

プレイ時間はクリアまで10時間。100%達成で13時間ほど。

マップを眺めている時間は入ってないみたいなので15時間くらいは遊んだんじゃないでしょうか。アクションの腕は下手でもなく上手くもない位なので、ちょうど中間くらいなんじゃないかな~と思います。

難易度は高い、と巷で言われていますが、反射神経や緻密な精度が要求されるタイプじゃないです。クリアだけなら特別上手くなくても根気さえあればできると思います。

 

 

 

 

ざっくり特筆ポイント

  • 2Dメトロイド要素はそのままに、3Dアクション演出の派手さを取り入れたバトルシーケンス
  • 初心者に優しく、やり込み派にも応える懐の深いマップ構造
  • 難易度は高いが全方位に行き届いた死にゲー

 

 

総評 9.4 / 10

2Dのメトロイドのプレイ感はそのままに、ド派手なQTEバトルと、E.M.M.I.によるステルスホラー要素がシームレスに挿入される印象のゲーム性。

プロモーションで訴えているほどには『恐怖』にゲーム性が全振りされている訳ではなく、あくまで一要素。どちらかといえばストーリー面で根底に流れる重要なテーマという意味合いの方が強い。

 

メレーから始まるアクションの爽快感

f:id:Upolaris:20211012013510j:plain


いわゆるパリィであるメレーカウンターが必須級の重要アクションとして位置づけられている。通常時の敵はほぼ一撃で倒せるし、ボス戦でも恩恵が非常に大きい。

 

特にボス戦では回復アイテムをゲットしつつ、特殊なQTE演出・グラブシーケンスに発展する。グラブシーケンスは普段のサイドビューから大きくカメラが寄るド派手なアクションシーンだ。サイドビューからシームレスに移行し、没入感の高いド派手なアクションが楽しめる

QTEといってもネガティブな要素はなく、演出中ミサイルをぶち込み放題のボーナスタイムである。ド派手な殺陣を楽しみながらミサイルを打ち込みまくるグラブシーケンスは、攻略的な恩恵も相まってかなりの脳汁感

2Dメトロイドヴァニアではどうしても視点が遠いため、アクション的な映像美は楽しみにくかった。本演出はこの点を見事に覆した画期的な演出だと言える。また殺陣自体のクオリティも昨今の3Dアクションに全く引けを取らない質の高さだ。

f:id:Upolaris:20211012013446j:plain

ステルスホラー要素E.M.M.I.が産むメリハリ

目玉として推されていたE.M.M.I.による追跡要素は緊張感がある。捕まるとほぼ即死なので、ライトなクロックタワーの様なイメージだ。

といってもゲーム性を左右する様なインパクトの強いものではないのが正直なところだ。E.M.M.I.が出現する場所はゾーンで区切られており、失敗しても直前からやり直せる。怖さよりもどうやって切り抜けるか、というかステルスゲー的な感情のほうが直ぐにメインになる。

もちろんつまらない訳ではなく、あくまでも全体の中での一要素に過ぎないくらいの比重という意味だ。

ボス戦の爽快感の派手さと対になっており、全体としてのメリハリやテンポの良さを生み出すのに一役買っている

E.M.M.I.だけでも全部で7体登場し、他のボス戦も含めるとボスの数はかなり多い。おかげで矢継ぎ早にボス戦が来るのでテンポが全くダレない。進行次第だが、ストレートに進めると2、30分に一体のペースで常にテンポよく展開していく。

E.M.M.I.自体も最終的にはきっちりぶっ飛ばしていけるので、探索にストレスを抱えっぱなしという訳でもない。ご安心を。

f:id:Upolaris:20211012012228j:plain

マップの造形

マップの造形はさすが任天堂。さすが本家メトロイドヴァニア。

ストーリーを進めたいだけの初心者には優しく、寄り道探索を極めたいやり込み性には手厳しいというお手本のような作り込み

得られたギミックを使って通れる場所をさりげなく誘導する作りになっているので、素直に進めればストーリーを進める分にはそうそう困らないように作られている。

とは言ってもどこの壁が壊せるかはある程度の『メトロイド勘』的なスキルが必要ではある。そもそもメトロイドヴァニア自体がそういうゲーム性なので致し方ないが、さりげなくカメラ視線が誘導してくれたり、マップがかなり丁寧に情報を書き込んでくれているので丁寧にプレイすれば答えてくれるようなフォローは充実している。

しかし隠しアイテムをゲットするために寄り道しようとすると、話は全く別。かなり挑戦的な作りである。詳細は後述。

f:id:Upolaris:20211012012547j:plain

パルクールを取り入れた圧倒的な触り心地の良さ

今作で影のMVPとでも言うべき特筆すべき点が、パルクール要素だ。

サムスの半身くらいの高さなら引っかかっただけで自動的に乗り越えてくれる仕様になっている。おかげで理不尽な落下がほとんど発生せず、移動によるストレスを全く感じない。

それどころか、吸い付くように移動してくれるので手触りが良く、移動するだけでも気持ちがいい。常に触っていたくなる操作性の良さがある。

f:id:Upolaris:20211012012436j:plain

操作は複雑、難易度も高いが親切な設計

ボス戦の難易度は非常に高く、死にゲー的なバランスとなっている。

敵の動きをよく見て、解法を理解すればクリアできるタイプで、緻密な操作精度や反射神経を求められる内容ではない。セレステやカタナゼロ的なパズル系の死にゲーが近い印象。

オートセーブがかなり親切でリトライ性が高い事もありストレスを感じることはほぼ無いだろう。

操作面に関していえば決して簡単とはいえない内容で、実際にボタンもほぼ全て使用する。

だが、探索に応じて1つづつ操作が増えていくのでチュートリアル面はかなり丁寧。自然と使えるボタンは覚えていく。

問題はプレイの間隔を空けてしまった場合。ボリュームを考えると数日で一気にクリアするのをお勧めしたいところだ。

 

総合的な難易度は一般的なアクションより高いが、痒いところには手が行き届いていると言っていいだろう。

ただし、探索を極めると話は別。隠しアイテムに必要なスピードブーストを中心としたステルス仕様は一切説明されない。やりこみたい人には丁度いいのかもしれないが、上級者向けにはかなり挑戦的に作ってある。

f:id:Upolaris:20211012013824j:plain

 

良かったポイント・微妙なポイント

良かったポイント

メレーから始めるグラブシーケンスの爽快感◎

パルクールによる触り心地の良い操作性◎

初心者に優しく奥が深いマップ造形◎

理不尽さのない高難度バトル◎

最低限かつ必要十分のストーリー○

 

微妙なポイント

各エリア間のロードの長さ△

プレイ間隔を空けると厳しい操作ボタンの多さ△

 

【攻略】すみれの空 チャレンジぷち攻略 「長い道のり」など

f:id:Upolaris:20211006053221j:plain

偉大な先人ブログのお陰でかなり助かったが、なかなか手こずったチャレンジ全達成。

どこを調べても出てこない部分でドツボにハマったので、メモしておきます。

 

 

f:id:Upolaris:20211006055602j:plain

実績別ピックアップ

●とびっきりの一日、さいっていの一日のカルマ

カルマはパーフェクトじゃなくてもいいっぽい。

 

そのため、「カメさんの味方」と「とびっきりの一日」は同じ周回で達成できる。

ウサギの依頼を受けるとカルマが減るが他でしっかり上げていればカバー可能。

 

●パパに想いを伝える方法

「とびっきりな一日」に必要なのがリストの完成。

1番見落としがちな「パパへの想いを伝える」だが、温泉施設内に伝達手段がある。入泉料金以外にもコインを用意しておこう。

 

お花さんが言うように、パパは隣町に居るので手紙は当日には届かない。
但し、ケンジとチエは別。ふじの木から脱出後の会話が変化するので、気になるなら午前中に手紙を出しておこう。
またチエとの仲直りに手紙が必須というわけではないっぽい。

 

●長い道のり

チャレンジ項目での書き方が曖昧なため、ファストと自力飛行どちらを選択するか戸惑うが、『可能な限りファストトラベルに頼らない』という考え方で良さそう。

 

必ずファストトラベルを使用するシーンは以下の2回。これ以外でファストトラベルを使用しない事が重要。

  • ケンジと初会話後、お花さんに催促されて町からふじの木へ昇るシーン
  • ヨーコの靴取得とケンジへの協力要請後、ふじの木へ昇るシーン

 

2回目となる昼食後の流れがややこしいので整理しておこう

  1. 家を出るとボーが来て会話
  2. 川を越え、ふじの木へ(ファストトラベルを使用しない)
  3. 崖から手動で町へ降りる
  4. ケンジと会話&ヨーコの靴を拾う
  5. ファストトラベルでふじの木へ昇る

 

補足事項

  • 川越えや手動で町へ降りる回数もおそらくカウント対象
  • 初めての川越えの後に、お花さんが自分を使って川を越えるように誘うシーンは無視できる

 

●周回ごとのプラン提案

チャレンジの制覇には慎重なプレイが求められる。チャプターも任意セーブもないため、ちょっとしたミスで時間を膨大に消費する。

 

おすすめはチャレンジ目的別で3周に分ける事。

  • カルマ最高プレイ
  • カルマ最低プレイ
  • 長い道のりのファスト縛り

 

最高プレイでは、「親切な少女」「カメさんの味方」「とびっきりの一日」あたりを、

最低プレイでは「さいっていの一日」「心の闇」「人嫌い」「幸せの青いくつ」がまとめて取れる。

・人嫌いは動物の依頼なら達成してもOK。なので「心の闇」と両立が可能。

・青いくつはトモの物なのでふじの木の中で見捨てることが必須条件。毒を入れても、あきらめてもどっちでもOK。赤い橋で2回目に釣り上げるものが青いくつに置換される。

余談だけど、見捨てるメンバーによって脱出後のリアクションが結構違う。より関係性が浮き彫りになるので、周回で意識してみると面白いかも。

 

「長い道のり」狙いのファスト縛りは、たのみごとの達成に制限がかかる。
依頼系以外の実績を重点的に狙おう。

「秘密の実績1」や「小金持ち」のコイン拾いをしつつ、ガチャを回せばちょうどいいと思う。

ガチャはおそらく5回回せば必ず取れるはず。
プレイ時は一度も被らなかったので、確率的にいって被りなしの仕様だと思う。違ったらごめん。

 

【Switch】ゲームに疲れたゲーマーへ。深夜の酩酊ローファイピンポンのすすめ【Lofi Ping Pong】

f:id:Upolaris:20211006052753j:plain

 

あっという間に夜だ。

今日も一日が何も達成せぬままに終わる...。

タイムラインでは狂ったようにゲームをプレイし、感想ツイートやクリアツイート、トロコンツイートが溢れかえっている。世は正にゲーム進捗報告会の様相を呈している。

しかし、仕事が終わって疲れ果てているあなた。

コンビニ弁当をレンジで温めながら惰性でSwitchを起動してみるが、さて何をしようか。

これからRPGをやるには時刻的に少し辛い。スマブラをプレイするような元気も無さそうだ。

そんなことを考えていたらレンジがピーピー鳴き出した。

今日はもういいかな...。テレビでも付けるか...。

 

そんな経験、誰しも一度はあるのではないだろうか。

 

そんな日は一旦、Switchをスリープしコンビニへ行こう。

酒を買うのだ。

f:id:Upolaris:20211006052544j:plain

買ってきたら一杯煽りつつ、再びSwitchを起動。

そして、eShopで『Lofi Ping Pong』をダウンロード。

何も考えず起動しよう。

とても軽いソフトだ。すぐに起動するので、何も考えず「ストーリー」を押せばいい。

 

後は流れに身を任せて。

黙々とピンポンするだけだ。

f:id:Upolaris:20211006045711j:plain

 

システムはこれ以上ないほどにシンプル。

左・中・右に打ち分けられる球を、3つの対応するボタンで打ち返すだけだ。5秒で覚えられるルール。

f:id:Upolaris:20211006045748j:plain

だがしかし、それだけにしては、雰囲気が良い。

タイトル通りのメロウなBGM。メトロノームの様なミート音。

ちょっとした睡眠導入アトモスフィアすら感じさせる。

マイアミリスペクトな闇を醸す動物頭のドットキャラも、余計な事しか言わなくていい感じだ。気分悪く酔えそうだ。

f:id:Upolaris:20211006050034j:plain

 

これだけシンプルだと作業感を感じそうだが、ゲーム性はしっかりある。

急角度カーブ、消える魔球、増える魔球。敵の球種はオプションで設定可能だ。

ストレート球に歯応えがなければいつでも挑戦すればいい。

 

球種を設定したら次はBGMだ。タイトル通りにLofiな楽曲が用意されている。

楽曲数は多いとも少ないとも言い難い、ちょうどいいくらいの数が用意されている。

決して多いとは言い難いが、ちょっと考えてみてほしい。楽曲数が無闇に多いことが本当に良いことなのだろうか。

f:id:Upolaris:20211006045931j:plain

例えば『VA-11 Hall-A』には大量の楽曲からその日に掛ける楽曲を全て指定する機能があった。

なまじ名曲ばかりなので、プレイヤーは毎日非常に頭を悩ませたものだ。

もはやその思考コストは業務と言っていいもの。楽しいが大変な作業である。

仕事終わりの疲れた頭脳には少し辛い。

 

反面、Lofi Ping Pongには「ちょうどいい」くらいの楽曲数があり、その雰囲気も概ね統一されている。

バッサリ言ってしまえば、どれも似たようなイメージの曲なので悩まず適当に決められる。

 

曲を決めれば後は黙々と、ラリーを続けるのだ。

4回ミスするとリトライになるが、心配しなくてもいい。ペナルティもなく即刻リスタートする。語弊を恐れず言えば、別にクリアしなくてもいい

そこに酩酊の流れを阻害するような無粋な物は何もない。

休みたくなったらいつでも試合を止めて、アルコールやつまみを楽しもう。マイペースに。

 

ここには義務感や困難などは何もない。

心ゆくまで空気に身を任せてピンポンを楽しめばいい。

だってどうせ最後には

f:id:Upolaris:20211006050103j:plain

負けることになるんだから。

 

f:id:Upolaris:20211006050202j:plain

 

【ネタバレトーク】風雨来記4 シナリオネタバレトーク

こちらは主にギャルゲー要素についての感想です。

レビューとは違い、好みで好き勝手書きます。ご了承ください。

またこのゲーム、ヒロインのシナリオにおいて明確な美点があったんですが、それ自体がネタバレです。

レビューには書きませんでしたが、折角なのでそれについても本記事に書いておきます。

 

以下、ネタバレ注意。

 

※真鶴・天継・テイラールートは未プレイ

シナリオ全体の感想

このゲーム、実はヒロインによって明確に恋愛の進展度合いが違うんですよね。

日陽は中盤以降ほぼ恋人状態で肉体関係の描写もあります。対して垂はラストで初めて告白、ちありに至っては恋愛ですらなくお見合いに近い関係性です。

恋愛要素をウリにした全年齢のギャルゲーにおいて明確な肉体関係の描写があるゲームって珍しい気がしますし、かといってアダルトゲームはむしろアダルトなシーンがないキャラが作れないでしょう。

そう考えてみるとヒロインによって最終的な進展度が違うゲームって中々ない気がします。

これは恋愛要素だけがメインの要素ではないからこそ出来るシナリオの自由度と言え、明確な独自性が感じられ好印象でした。

 

ヒロインルートはどれもそこはかとないビターさです。3人とも何かから逃げてきており、モラトリアムとしての旅である所が共通してます。

対して主人公はあくまで仕事としての旅であり、行く先を決めかねているヒロインたちとは対照的。

ノーマルルートはどれも主人公がフラれて終了する訳ですが、3人ともそれを理由に主人公を振る所がちょっと面白かったです。

 

主人公と出会い、交流を経てそれぞれの場所へ旅立っていく...というのがノーマルルートにおける共通事項。

ヒロインたちこそが主役で、主人公はある意味セラピストの様な立ち位置とも言えます。

ゲーム性は度外視してシナリオ面だけで言えば、ノーマルではすっきりお別れする結末で統一した方が読後感が良かった気がしますね。

特に垂ルートで顕著なんですが、その流れでフラれんのかぁと残念な気持ちになりました。

 

一人旅ルート

一人旅ルートは感想あまり無いです。いきなりすまん。のひコン1位でもこれなんですけど、ご褒美要素もなく達成感は薄味です。

ストーリー的なドラマは徳島ダムルートに注力した印象。

 

f:id:Upolaris:20210921001049j:plain



徳島ダムルート

一人旅ルートとしてはこちらがある意味正規シナリオなんじゃないですかね。

序盤から連絡が入るひかりさんが介入してきての徳島ダムルート。

好きな人がいたら申し訳ないんですけど、全くピンときませんでした。

常に動かされている感じが非常にお使い的で、作業感が強いんですよね。ひかりさんの物言いも誘導尋問的であまり好きではなかったです。

 

惜しいのが増山たづ子さんの写真が登場しなかったところ。

本シナリオのテーマとなる増山たづ子さんという方は実在の人物です。

劇中言及されている様に写真家の方でググればすぐ出てくるんですけど、素人目にもとてもいい写真を残されているんですよね。

特にイチョウと子供たち。という作品はおすすめです。

 

 

言葉は悪いですが、プロっぽくこなれていないにも関わらず印象的な作品群。

これらがゲーム内に登場するだけでも没入感が上がったと思うんですが、本人の痕跡が感じにくかった事でこのシナリオに入り込めず、最後までどこか他人事感が抜けなかったです。

 

日陽ルート

f:id:Upolaris:20210921001116j:plain

スチール種類の豊富さやシナリオの分量から言ってもメインヒロインといって差し支えないであろう日陽姉。

主人公の性格から言ってどう考えても1番相性がいい相手です。本人は否定してますがどう考えてもシスコンです。

 

シナリオ見てからだと飛騨に行かなかった理由も納得するんですが、ゲーム的には初手トラップなのが気に食わなかったですね。

後半に行くにつれて難易度がイージーになってく仕様も、導線の意図がちょっと理解できなかったです。

追わせるモチベーションを保たせるには序盤に出会いやすくさせないと多くの人が付いてこれないです。実際、トロフィー取得率的にも多くの人がヒロインに出会えてない。

 

個人的には日陽はあんまり好みじゃないんですが、シナリオはそこそこ重めでリアリティある内容だったのでお話としては楽しめました。

 

それにしても父子家庭の一人娘に看取らせないのはちょっと酷くない?自分の親にそんな事されたら結構ショックかも。

日陽の喪失感の大半は親の死に目に会えなかった事が占めてるんじゃないかと思います。仕事のあれこれは切っ掛けに過ぎない気がします。

 

でもノーマルエンドの振られ方を見ると、突っ走り方が多分父親由来なんだろうなぁという気にさせます。1人で悩んで1人で結論出すタイプっぽい。

f:id:Upolaris:20210921004147j:plain

それにしても天球カメラを生かした構図がたっぷりあってビジュアル的な満足度は非常に高いルートでした。

f:id:Upolaris:20210921004348j:plainf:id:Upolaris:20210921004200j:plain

f:id:Upolaris:20210921004323j:plain

f:id:Upolaris:20210921004049j:plain

キャプチャだけ見ると一枚絵みたいに見えるのほんとすごいと思う。

動かして構図を探すのが楽しかった。

もっと流行ってくれ360°視点。

 

垂ルート

f:id:Upolaris:20210921001144j:plain

考古学について研究しているだけあって伝承についての説明が楽しめました。

聞き応えがあり、自分なりの解釈を交えて解説してくれるので普通に勉強になる。

主人公のうんちく語りが一体なんだったんだって思ってしまうレベル。

観光したいプレイヤーには最初に勧めたいルート。

f:id:Upolaris:20210921001201j:plain

一緒にデートしてると、「もう付き合ってるじゃん」って思わなくもないですが、垂にとっては自分のことで精一杯で多分それどころじゃない気がするので、ノーマルのこっ酷いフラれ方は必要なかったんじゃないかって気がします。

告白はトゥルーだけで良かったのでは。

あとフラれる理由として挙げる『2人で回った時の記事の内容が酷い』っての、僕もずっと思ってた

ってかこの主人公デートした時の記事、露骨にクオリティ下がるんだよな。

 

普段ストイックな1人語りするもんで余計に鼻に付くんですよね。

主人公はもうちょっとおバカな方が良かったな〜とプレイ中何度か思いました。

 

自分らしく生きる事を決意した彼女は途中からボクっ子になる訳ですけど、その事に深く言及しない主人公はすごい良かったですね。そういう所を流せる人間はとても好きです。

f:id:Upolaris:20210921001217j:plain

 

ちありルート

全ルート中ちありルートが1番好き。

ノーマルもトゥルーもそれぞれ味わいが違って良い。

f:id:Upolaris:20210921003328j:plain

初手から種蔵3連続という鬼畜の様なトラップがある上、連絡先も一向に交換しないという正に一期一会を地でいくような攻略難度。

その上、相貌失認という障害も相まって、連続して会うのが偶然っていうか奇跡みたいなものですよね。

 

相貌失認ってワードが出る前から、この子めちゃくちゃ人の顔覚えるの苦手なんだろうな...と思ってたので当たらずとも遠からず。

自分も人の顔を覚えるのが得意じゃないので気持ちがよく分かります。とは言っても自分の兄の顔さえ認知できない困難に対して気軽に分かると言うのも良くないかもしれないですが。

この病気、重度のレベルになると性別も判定できない症例もあるみたいです。人口2%はいるとも言われているらしいです。2クラスに1人はいると考えると、結構身近な障害と言えそうです。

 

ちありルートは他のルートと違い、ヒロインの好感度よりも好感度主人公側の気持ち次第な所があります。

劇中散々こだわってた仕事を捨てて恋愛を選ぶのでトゥルーは現実感がやや薄いですよね。でも、直感と勢いで結婚を決めたなんて事も身近に無くはないので、妙なリアリティを感じました。

 

でもやっぱり恋愛ではない気がするな~。

「キミが私を異性として好きじゃなくてもいい。私もまだキミを異性として好きなのかは分からない」ってセリフは作中1番グッときたセリフ。

結婚を前提に人生設計するなら、そらそうだよなって説得力がありました。エモーショナルなゴールじゃなくて通過点って意志が現れてていいです。お見合い結婚って感じですね。

最近、映画『この世界の片隅に』を観たんですが、それに近いものを感じたのかもしれない。未来を見据えた地に足のついた力強さみたいな、そういうエモさが棚田の背景と絶妙にマッチしていました。

f:id:Upolaris:20210921003414j:plain



旅における交流という意味ではノーマルも捨てがたい良さがあります。

他のヒロインと違ってちありの場合は、主人公がバンダナを付けない限りは二度と会えないっていう尊さの余韻が凄いんですよね〜。

日陽は数年後フラっと連絡してきそうな気配もあるし、垂は仕事で絡む機会もいつかあるかもしれない。反面、ちありは接点が薄すぎる。

もし街中ですれ違っても彼女は気付かないくらいの接点の薄さ。それでも記事に書かれた記者名からなら見つけてくれるかも、とか考えると妄想捗るルートです。

f:id:Upolaris:20210921003804j:plain

 

おわり

いや〜余韻が素晴らしいゲームでした。

色々書けてスッキリした。

過去作もアーカイブスでプレイできそうなのでやってみたいですね。

 

レビューでも書いたんですけど、本タイトルは旅要素・ギャルゲー要素にそれぞれ良さがあります。

ただ個人的には、双方が噛み合っていないように感じました。それがちょっと残念。

それぞれの方向に特化した別々のタイトルでプレイしたかった気持ちが強くあります。

ペルソナのコミュくらいの深度でバリエーション豊かなモブ達と徐々に交流していく旅ゲーと、進行が親切なギャルゲーと、どちらか一方にはっきり特化されてれば、かなり神ゲーだったんじゃないかな〜。

シナリオは心に残る物があったのでより強く感じてしまいますね。

 

風雨来記4 - PS4

風雨来記4 - PS4

  • 日本一ソフトウェア
Amazon
風雨来記4 - Switch

風雨来記4 - Switch

  • 日本一ソフトウェア
Amazon

 

【レビュー】風雨来記4 クリアレビュー 〜旅の偶然と総当たりの攻略、期待するポイントで評価が大きく変わるストイックな旅ゲー

f:id:Upolaris:20210920235014j:plain

全ルートクリアしたのでレビューしていきます。

シリーズ作品は未プレイです。

プレイ時間は1周目の一人旅ルートで10時間弱。

2週目以降ちありルートクリアまではスキップ使いながらでも10時間くらい。

3週目以降攻略を見て、総計で30時間くらいだと思います。

 

 

プチまとめ

  • 偶然に任せた旅がしたいなら超おすすめ
  • 文章を書いたり読むのが好きなら更に楽しい
  • 女のケツを追っかけたいならちょっとハード

 

総評 7.3/10

期待する部分がどこかによって評価は大きく変わる内容でした。

 

旅ゲーとしては超楽しかったです。

偶然に任せたバイク旅。

岐阜の各地で写真を撮り、記事を書く。反応を貰う。そしてさらなる秘境へ。

意欲的で唯一無二なシステムは好感が持てます。代替えタイトルがないです。

反面、『旅要素のあるギャルゲー』という認識でプレイすると作業感が強いです。旅要素と潰しあってます。

f:id:Upolaris:20210920235030j:plain



天球カメラを駆使した360°視点の背景は没入感が高く、十分に旅の疑似体験を楽しめました

写真も360°視点で取ることができて、写真の撮り甲斐があります。

ただし、360°視点は静止画背景に比べると明確に解像度が落としてあり、そこは少し残念でした。とは言ってもデータ量の問題だと思うので致し方なしだとは思います。

 

 

f:id:Upolaris:20210920235105j:plain

また旅ゲーといっても、基本はテキストタイプのアドベンチャーの延長なのでトラックシミュレーターの様な、アクション性のある自由度をイメージしていると肩透かしを食らうと思います。

またADVとしての文章量は比較的多めです。

年号や偉人などの情報量が多く読む事が苦手な人は要注意。

観光名所を周り、写真を撮って資料を読み、想いを馳せる工程がハマればじっくり楽しめると思います。

 

問題はギャルゲーとの噛み合わせ

これがめちゃくちゃ悪くて、どっちつかずで中途半端な要素が混在しているように感じます。

実は、旅の上での偶然の出会いはヒロイン以外にも多数あり、こちらはリアルな旅のアクシデントっぽさがあり、とても良かったです。

反面、ギャルのケツを追いかけようとするとほぼノーヒント。かなり作業感が増すので要注意です。ほとんどのプレイヤーが攻略情報を見るか総当たりになるバランスでした。

f:id:Upolaris:20210920235137j:plain

ギャルゲーを楽しめるカジュアルさを取るか、偶然に任せるストイックさを優先するか取捨選択すべきだったと思います。

 

記事の作成システムにも問題あり

ヒントの無さはメインミッションであるコンペのランキングにも同じことが言えます。

ある程度総当たりで評価のいい記事の情報知った後でないと、意識的にランキング上位を狙うことが難しいバランスです。

初周で上位を狙う事がほぼ無理ゲー。難易度バランスは若干古臭いイメージです。

記事に書く内容は記事タイトルでしか選択出来ず、たくさん回るとどのスポットのタイトルかすらわからないことも多く煩雑になりがち。

同時にアップする写真を選択する時に写真を拡大して確認ができないのも地味な不満点でした。

とにかく記事アップのUXが不親切。

評価へのフィードバックも薄く、結局総当たりで当たり記事を探すしかない

色々やってる内に傾向は見えてくるんですが、そこそこ周回を重ねた後なので旅の新鮮さは消え失せた後。

ある意味リアルなんですが、ライターのリアル職業体験を体験したいゲームなのかは甚だ疑問です。

f:id:Upolaris:20210920235158j:plain

 

人を選ぶ、というゲームは良くあるんですが、選んだ結果、残っている人が居るとは思えない各要素の噛み合わせの悪さ。

既に上がっているネット上のレビューをいくつか読んでみましたが、旅ゲーが好きな人と、旅ゲーの体裁でギャルゲーをやりたい層は恐らく被ってないです。

ライティング業のシビアさも相まって、全要素を楽しめる人はほぼいないのではないかと思います。必然的にどれかを我慢しつつ楽しむ形になってしまっています。

旅かギャルゲーかライティング、どこかに特化したバランスに寄せた方が完成度、満足度は上がっていたように感じます。

 

本当にギャルゲー要素が必要だったのか?

各ヒロインのシナリオは面白いですが、そこに至るまでのハードルが異様に高くてヒントがかなり薄いです。

最初に会うヒロインですら向かうといっていた場所と全く違う場所にいる上、序盤の数日でフラグが折れるので最初の周回でヒロインに会えるかどうかは完全に運。

かといって、しらみ潰しに攻略してまで見るストーリーがそこまでの労力に見合う劇的な内容かというとそうでもないです。身も蓋もないですが、攻略見た方が満足度高いです。

基本的に攻略を見ながらゲームをするのをお勧めしてないんですが、正直、ギャルゲーパートに関しては旅のゲームシステムと根本的に食い違ってる印象。

旅の中での偶然の出会いを演出するためのヒントの無さであろう事は推測できるんですが、それであればドラマチックな物語をヒロインを軸に用意している事に問題があります。

f:id:Upolaris:20210920235351j:plain

 

一人旅のエンディングがシナリオとして見応えがあればそういうバランスもADVの多様性としてアリですが、これがかなり人を選ぶ哲学的な内容。お世辞にもエンタメとは言えないもの。答えがなくメッセージ性はいまいち薄い。

 

またヒロインともひとり旅とも別軸のイベントもあります。街中で観光客や町の人々から声をかけられたり、キャンプ場でキャンプ仲間とご飯を一緒にするイベントがランダムで発生します。

このイベント群は旅の偶発性や一期一会のエモさを上手く表現していて素晴らしい内容だと感じました。

f:id:Upolaris:20210920235310j:plain

ただし、モブキャラは完全なランダム仕様なので、周回してくると全て見終わってしまいスキップするしかなくなるんですよね。

f:id:Upolaris:20210920235535j:plain

個人的にはこのモブキャラとのイベントとヒロインとのイベントをはっきり差別化せず中間位の深さを持たせたバランスであれば最高でした。

ゲームのウリである以上仕方がないですが、攻略対象と銘打たずに、『たまたま出会いを重ねていたら仲良くなれるキャラもいる』程度の設計なら作業感も薄く、偶発性に心踊ったんじゃないかと思います。

 



初回のおすすめは垂ルート

とはいえ前述の通り、ヒロインのシナリオ自体はそこそこ濃いめのエピソードが多く、充実度はあります。

中でもおすすめは垂。

伝承に詳しく各地で観光ガイドをしてくれます。主人公の薀蓄一人語りに比べて、個人の解釈や考察も交えた説明をしてくれるので頭に入ってきやすいです。

そのため、観光を楽しみたい人こそ、まず垂ルートに進むことをおすすめします。

f:id:Upolaris:20210920235546j:plain

彼女との遭遇場所は序盤さえ捕まえてしまえば割と分かりやすい方なんですけど、会話の選択肢間違いによる攻略失敗が非常にダルいので、攻略情報見ちゃった方がいいです

このゲーム全体に言えるんですけど、会話選択肢は考えてもわからない内容だし大体1発アウトなのでバッド選択肢を選ぶメリットが一つもない。

旅の偶発性と全く噛み合ってないんで、会話の選択肢でフラグを立てるシステムは捨てるべきだったと思います。遭遇スポットを探すだけで十分難しいし。

 

良かったポイント・微妙なポイント

良かったポイント

◎観光スポットを自由に巡る気ままな旅

◎リアリティのある旅先での偶然の出会いが多い

◯写真を撮って、選ぶ充実感

◯360度視点で展開する、ギャルゲーとしては新鮮な絵作り

f:id:Upolaris:20210920235627j:plain

微妙なポイント

×あまりにノーヒントすぎるシステム

×総当たり要素が強く、ギャルゲーやコンペ優勝という目標に対してプレイスタイルを能動的に選択出来ない

△記事作成システム周りの不親切さ

△詰め込みすぎな観光情報のテキスト量と、主人公の多すぎる自分語り

f:id:Upolaris:20210920235650j:plain

 

風雨来記4 - Switch

風雨来記4 - Switch

  • 日本一ソフトウェア
Amazon
風雨来記4 - PS4

風雨来記4 - PS4

  • 日本一ソフトウェア
Amazon

 

PCゲーマーにこそおすすめしたいVtuber(ライト編)

 

ライト編と謳ってますがディープ編は予定ないです。

配信をディープに楽しめるっていうより、vtuber文化に詳しくなくてもゲームが好きな人なら楽しみやすい配信という意味でライトって事です。宜しくどうぞ。

シンプルに推しを紹介したいのが8割。需要と供給の橋渡しができればってのが建前の2割です。建前とは。

 

 

おすすめVtuber@南極ゲーム観測所(敬称略)

人生つみこ

www.youtube.com

ホラゲーが好きならガッチマン経由で知ってる人も多いかもしれないホラーゲーム専門Vtuber

落ち着いたトーンで明瞭なお姉さんボイス。ホラーにマッチしていて非常に聴きやすいです。いわゆるアイドルタイプが苦手な人でも受け入れやすい声質。

ホラーの文法にも造詣が深く、お約束に詳しいため、ヤキモキさせられることがない安定感のある配信が魅力。

その割にはジャンプスケアに弱かったりしてリアクションが見たい人も楽しめると思う。

配信頻度はかなり高頻度。ホラーのみをプレイするスタイルなので、最新のホラゲーの動向を追っておきたい場合に情報チャンネルとして抑えておくのもアリ

前述のガッチマン氏などとホラゲー語り配信などを主催することもあるのでコアなホラゲファンはそちらもおすすめです。

あとGOHOMEで話題になったvtuber市松寿々謡氏とも制作面などで関わり有り。

www.youtube.com

 

姫熊りぼん

www.youtube.com

Theクソゲーマイスター。ゲーム配信がメインではないけれど、時々思い出したようにクソゲー詰め合わせ配信をしてる。

お嬢様風の上品なトークとのアンマッチが魅力。

やたらと楽しそうにプレイするので、もしかしてクソゲーじゃなくてこれ良ゲーなのでは?と錯覚してしまいますが錯覚です。

デビュー当初狂ったようにプニキを配信していたから苦行ゲーがきっと好きなのかも。でもすごく楽しそうにプレイしている。もしかしてプニキって()

 

www.youtube.com

 

白百合リリィ

www.youtube.com

Steamゲー好きには一押しのVtuber。

特筆すべきはインディーゲーの発掘力。

ゲームが活動のメインではないけど、イケてるマイナーインディーゲーを発掘しては配信されてます。

主に短時間・単発系のアドベンチャータイプが多いので、良質でエモいタイプのアドベンチャーを探している人は要チェック

おすすめはSteamサマーセールのウィンドウショッピング配信をチェックしてみてほしい。今年の配信は、なんと何も買ってないのに8時間半やってた(でもこれSteamでウィッシュリストをツムツムするゲーマーなら気持ちは分かるよね)。

 

www.youtube.com

その後、実際に買うゲームを決める配信を追加で2時間キメてた。

www.youtube.com

 

らあゆちゃんねる

こちらはSwitchメインのVtuber。特にインディー&DL専用ゲー方面特化型です。

というかはてなブログでゲームブログ見てる人なら恐らくほとんどの方が知ってるんじゃなかろうか。絶対SIMPLE主義のブロガーさんです。いつも拝見させて頂いております。

定期的にニンテンドーeショップをパトロールする配信を継続してるのと、注目のインディーを触り部分だけお試し配信するのが特徴的。

気になってたタイトルをチェックするのに見てもよし、eショップパトロールのお供に見るのもよし。Switchのインディーを幅広く抑えるならイチオシのチャンネルです。ブログのレビューと合わせてみれば更に幅広くさらえておすすめ。

※投稿直前の記事によると、Vtuberとしての活動から実写での活動メインに切り替えられるとのことです。「新しい活用方法を色々模索していく」とのことなので完全に封印って訳じゃないみたいです。情報チャンネルとしておすすめなのは変わりないです。

 

番外編:餅月ひまり

www.youtube.com

まあ...PCゲームだからタイトルに偽りないしな()

大人のゲーム専門Vtuber*1

といっても配信が直接的なアダルトコンテンツな訳ではなく、ノベル系アドベンチャーゲーム界隈のキュレーション的な活動内容ですね。ノンアダルトの紹介もあります。配信より動画がメイン。

最初はガチガチでバチバチの清楚系アイドルVtuberだったのに気付いたらこうなってた。

20-30代くらいのゲーマー狙い撃ちのトーク動画メイン。どちらかといえば懐古トーク寄り?見た目は幼女なのに知識にやたら年季が入ってます。

台本を読むような動画コンテンツじゃなくて「あ、これ中の人ガチで好きな人やな」感が滲み出てるので多分その方面に造形が深い人こそ楽しめると思います。

僕はこの方面には全く詳しくないので、あくまでも見た目とトークとのギャップによる高度なコメディとして楽しく拝見させて頂いております。ええ、全く詳しくないので。ちなみにひまりちゃんは陵辱モノが好きなようです。

 

最近ではおそらく奇ゲーの類いのゲーム実況配信を行なっております。世界の懐の広さを痛感できておすすめ。

www.youtube.com

 

おわりに

記事を書きながらYouTubeの登録チャンネルをパラパラとめくりながらチェックしていたのですが、想像以上に活動停止状態のチャンネルが多かったです。悲しいぜ。

何事も続けるだけで貴重なんですよね。ましてや活動の労力が並大抵ではなかろうvtuberなら尚のこと。活動が続いてくれる事に感謝しつつ、今後も活動が末永く続いてくれることを願うばかりです。

 

ノーマルyoutuber、いわゆる実況者でも情報番組寄りだったり、コアな配信者だったりおすすめの方が沢山いるけれど、それはまたの機会に。ネタが溜まったらそのうち書きます。

*1:本人はVtuberを自称してません。なので番外編。